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富津岬から…2

(『富津岬から…1』のつづき)
FI2618271_1E.jpg富津岬からの展望といえばやはり、かつての東京湾要塞の一翼を担い、猿島や今はなき第三海堡(過去の記事『さらば海上要塞』参照)とともに、内湾の防衛線をかたちづくった人工の島、第一・第二海堡の姿。

岬が、その位置を指し示すように伸びる手前の島が第一海堡、その左に遠く見えるのが第二海堡です。そのさらに左手、対岸に張り付くようにうっすらと見えているのは、猿島でしょうか。

FI2618271_2E.jpg第一・第二海堡のアップ。第二海堡の向こうは、国内有数の輻輳海域である、浦賀水道航路。こうして眺めている間にも、続々と本船が出入してゆくのが望めます。

数年前までは、釣り人さん向けの渡船があったここも、第二海堡にある消防演習施設の関係者以外は、現在は原則として上陸禁止だそうです。ただ、東京湾海堡ファンクラブによると、会主催でときおり見学会を催されているとのこと。興味のある方は、入会してみてはいかがでしょうか。

FI2618271_3E.jpg南側、東京湾口を望んだところ。風裏とあって、岬の近くには白波は見えず、比較的静か。漁船も何隻か見られました。

右手遠方に、久里浜火力発電所の煙突が小さく見えます。三浦の母港から、東京に通っていたころは、この煙突群はよい目標でした。剣崎の難所を越えて、煙突群の沖をかわし、次の目標である観音崎に針路を取ると、いよいよ内湾に入った、という気がしたものです。

FI2618271_4E.jpg南東側の眺望、房総半島が曇天の下に広がっています。南側の岸は砂浜でなく、テトラポッドで守られているのを見ると、南風が吹いたときの厳しさがうかがえます。

写真では、よく見えないかもしれませんが、海岸沿いには海苔ヒビがびっしりと並び、海苔養殖が盛んであることがわかります。先ほど、富津漁港を訪れたときも、陸揚げされたたくさんの海苔船を目にしました。

FI2618271_5E.jpgうまく撮れませんでしたが、展望台の中央には、ご覧のような金属盤に刻まれた地図が。

う~ん、実は方位石とか、そのたぐいのモノに弱いんですよ。何だか、これを前にしてぐるりの景色を眺めていると、一国一城のあるじになったような、そんな誇大妄想がふくらんでくるのを、抑えられない気分になります。
撮影地点のMapion地図


(20年10月19日撮影)

(『木更津港に拾う…1』につづく)

富津岬から…1

(『新富運河を訪ねて…5』のつづき)
FI2618270_1E.jpg新富運河を探索した後は、せっかくここまで来たのだからと、東京湾の真ん中に深々と突き刺さる砂嘴、富津岬の突端へ。

防砂林の間を抜けると、突然視界が開け、写真のようなオブジェ然とした建造物が現れました。う~ん、まるで、「箱根彫刻の森美術館」にいるような眺め。いえ、行ったことはありませんが。
撮影地点のMapion地図

FI2618270_2E.jpg目前にそびえ立つこれは、オブジェならぬ、「明治百年記念展望台」なのだそうです。
強い北風が唸り、頭上を群雲が飛ぶ、「風雲急を告げる」という言葉そのもののような天候下、何か血沸き肉躍るものがあり、早速登ってみることに。

…とは言うものの、階段の数は結構あり、早くも息が切れてきました。トシには勝てませなんだ。

FI2618270_3E.jpgてっぺんに上ると、華奢な構造のせいか、絶え間なく吹き付ける北風にあおられて、まあ揺れること揺れること。それでも、周囲にさえぎるもののない、雄大な風景を眺めるのは楽しく、しばらく降りる気にはなれませんでした。

北岸を見ると、この強風を好機ととらえた、たくさんのウィンドサーフィンが帆走を楽しんでいました。

FI2618270_4E.jpg岬のすぐ北にある砂洲には、数枚(数隻?)のウィンドサーフィンが、波打ち際に引き上げられ、休憩中のようです。

無人島に上陸した気分で、楽しいでしょうね。しかし、スーツを着ているとはいえ、寒くないのかしら。


FI2618270_5E.jpg今走ってきた、東側の眺めが、これまた絶景。

潮流によって、気の遠くなるような長い年月をかけて成長したと思しき、巨大な砂嘴の姿を、足元に一望することができる面白さ。今にも降り出しそうな空ですら、この光景の雄大さを演出するのに、一役買っているように思えたものです。


(20年10月19日撮影)

(『富津岬から…2』につづく)

新富運河を訪ねて…5

(『新富運河を訪ねて…4』のつづき)
FI2618269_1E.jpg富津漁港の東端から東側、あらい橋を遠望したところ。漁港の近くということもあるのか、岸にもやう船も多く、新富運河の中で最もにぎやかな一角です。

運河はここで、北へほぼ直角に曲がり、東京湾を目指しています。出口付近の様子を見てみましょう。
撮影地点のMapion地図

FI2618269_2E.jpg運河の出口方向を見ると…船影は曲がり角の周辺で途切れ、出口まで埋立地の荒涼とした岸が続いています。

ここからではよく見えませんが、岩か浅瀬のようなものが、対岸近くに何ヶ所かあるようです。意外と浅いのでしょうか。



FI2618269_3E.jpg曲がり角付近の船溜に、珍しい船が2隻並んでいるのを見かけました。
平たい船首にバウランプと、海上自衛隊の輸送艇(海岸に直接のし上げて、物資を揚陸する船)に、よく似たスタイルですね。この船型と大きさで、2機がけの船外機船というのが目を引きます。

舷側の表記から、富津市内にある、ホテル静養園の所有船とわかりました。潮干狩りのお客さんの送迎に使うため、砂洲にのし上げても乗降のしやすい、この船型になったと想像していますが、いかがでしょうか。

FI2618269_4E.jpg漁港防波堤の北東端、新富運河の出口から、東京湾を望んだところ。う~ん、すぐそこに、東西に広がった浅瀬がありますね。写真左側と中央奥には、海苔ヒビが並んでいます。

運河にもやった船は、どうやって海に出るんだろう…。潮時を見て出入りするのか、それとも地元民しか知らない、澪筋があるのでしょうか。そういえば、漁港の港口には、澪筋が掘ってあったなあ…。防波堤沿いに港口まで進んでから、澪筋で外海に出るのかな?
撮影地点のMapion地図

FI2618269_5E.jpg同地点から西方、港口を望んだところです。こちらも岸近くまで海苔ヒビが迫り、港口から伸びる澪筋に沿った水域には、澪標が並んでいて、あまり大きな船は通れなさそう。
(澪筋の様子は、Google航空写真をご覧ください)

まあ、運河の終点であるこの付近に、最も船が多いということは、外海に出る方法がある、と考えたほうが自然ではあります。運河に入る航路をご存知の方、ぜひご教示いただきたいものです。


(20年10月19日撮影)

(『富津岬から…1』につづく)

新富運河を訪ねて…4

(『新富運河を訪ねて…3』のつづき)
FI2618268_1E.jpg青木橋からさらに西へ移動し、西川橋の上から東方を見たところ。

ここで初めてヨットが登場。岸近くで、フィンキールを持つヨットがもやえるのなら、そこそこの水深があるのでしょう。このヨットも、あまり使っていなさそうなのが気になりましたが…。
撮影地点のMapion地図

FI2618268_2E.jpg西川橋の橋詰から、北に目を向けると…おお。

工業地帯に渡る道だけあって、立派な4車線の直線道路が、消失点まで一直線に貫いている! 周囲に建物が少ないことも手伝って、なかなか爽快な眺めです。


FI2618268_3E.jpg西側にも手製の繋留施設があり、数隻のボートがもやっていました。

水は澄んでいて、決して悪い環境ではないとないと思うのですが、南岸沿いに広がる市民公園は、水辺に開かれたスペースはごくわずかで、ちょっともったいない気がしてしまいます。

FI2618268_4E.jpg西川橋にも、「新富水路」のプレートが掲げられていました。

今まで通った、君津大橋以外の橋は、すべてこのプレートがついており、こうたたみかけられると、新富運河という呼び名自体が、何やら影の薄い名前になった気分。


FI2618268_5E.jpg橋詰近くにもやっていた舟が、ちょっと気になりました。

箸箱に船首をつけたような、ずん胴な船体もさることながら、船尾に船外機のガードを取り付けている点も変わっています。胴の間に転がった木片は…よく見ると、ちびた櫂の先端部分。
特徴ある造作や、櫂があることから見て、ベカのように海苔ヒビの間で作業をする舟のように思えました。


(20年10月19日撮影)

(『新富運河を訪ねて…5』につづく)

新富運河を訪ねて…3

(『新富運河を訪ねて…2』のつづき)
FI2618267_1E.jpg汐入橋の下には、浜があったので降りてみました。桁下の空間は、貝殻の山に、打ち捨てられた艇たちが肩を寄せ合っており、船の墓場と言った雰囲気。

こうして桁を見てみると、まったく反りがない真っ平らで、船の通航は微塵も考えていない設計なのが、よくわかりました。本船が、工業地帯の岸壁に直に接岸できる、戦後に完成した工業地帯ですから、艀荷役のために運河を造る、という発想自体が生まれようもないわけです。
撮影地点のMapion地図

FI2618267_2E.jpg汐入橋を離れ、市民公園沿いにウネウネと曲がった道を進むと、ご覧のような細い水路が現れました。

数隻の艇がもやっており、公園の緑が迫るその雰囲気は、江東区の木場あたりを想わせ、なかなかいい感じ。写真奥が、新富運河に通じています。
撮影地点のMapion地図

FI2618267_3E.jpg青木橋の上から、新富運河の北東側を望んだところ。吹き付ける強風が、運河の水面にさざ波を立てています。

写真右手に見えるのが、先ほどの細い水路の入口。左手奥、鉄塔の根元付近には、前回も触れた、東京湾に出る水路の入口があります。
撮影地点のMapion地図

FI2618267_4E.jpg同じく青木橋から、反対側の景色。このあたりまで来ると、水深も深くなったようで、もやっている船影も廃船臭が薄れ、ようやく運河らしい眺めになってきました。

最初に見た東端近くは、小糸川に接しているせいで、堆砂が激しいのかもしれません。


FI2618267_5E.jpg対岸の地先では、巨大なクレーンが林立して、何やら建屋が建造されている模様…。

この後、埋立地を通ったのですが、まだまだ空き地が多く荒涼として、工業地帯としても、発展途上の雰囲気でした。


(20年10月19日撮影)

(『新富運河を訪ねて…4』につづく)