東雲水門のディテール

(『運河の円盤? 』のつづき)
FI2618263_1E.jpg少しづつ後ずさっているようで恐縮ですが、毎度おなじみ東雲水門です。
工事中の様子など、何度も触れている割には、細部を紹介したことがなかったので、今回は4径間あるうちの、唯一のセクターゲートのディテールを、ご覧に入れたいと思います。

写真は、北側から見たところ。信号でわかるように、通常は下航専用に供されています。左側は、言わば中之島なのですが、まるで箱庭のように、木が1本植えられているのが変わっており、目を引かれます。

FI2618263_2E.jpg兄弟分である新砂水門同様、ゲートの前には一対の可動橋が設けられていますが、この橋の必然性が、今ひとつわかりません。閉鎖時の対岸への連絡や点検は、ゲート上の通路を通れば済むはずですが…遮断器的な役目をしているのでしょうか。むしろ、開放時の連絡用かしら?

右端の看板、「船艇、はしけ、いかだ類の通行を禁止する」とありますね。これを見るたびに、「じゃあ、何にも通れないじゃない!」と、心の中で突っ込んでしまうのです(笑)。まあ、もともとは本船専用だったようなので、小型船全般は、3門のローラーゲートを通れ、という意味なのでしょう。

FI2618263_3E.jpg扉体のアップ。自身の巨大な重量や、水圧に抗するための複雑な構造は、いつ見ても楽しいもの。

以前も触れましたが、セクターゲートとは、扇形断面の一対の扉体が、扇のかなめを軸にして回転し、開閉する構造です。言葉で説明するより、Google航空写真で上空から見ていただいたほうが、わかりやすいでしょう。

作動方式は不明ですが、操作室の下あたりに、動力のついたギヤが仕込まれていて、扉体のスキンプレート上端に取り付けられた、ラックギヤと噛み合うのか、扉体の奥に油圧シリンダーがあって、押したり引いたりするかのいずれでしょう。

FI2618263_4E.jpgこちら側から見ると、回転の中心である軸承がよくわかります。手前の、扉体同士が接する部分には、ピンリンク式のような閉鎖装置も見えるので、完全に閉じた後、上からピンを落としこんで固定するのでしょう。

セクタゲートは、マイタゲートやスイングゲートなどと同じく、開いているときは格納部に収まっているため、扉体の表面を見ることができません。朝潮水門のときのように、点検などで閉じている場面に出くわせばよいのですが、ここ東雲水門では、いまだ叶わず。何やら、秘仏のご開帳なみになってきました。

FI2618263_5E.jpgまあ、水門閉鎖情報(例えばミニまぐ東京港の水門『閉鎖・開放情報』など)に目を通すようにはしているのですが、出港日と合わなかったり、こちらを通らなかったりと、なかなかご縁がありません。

ちなみに、佐藤淳一氏は幸運にも、閉鎖時の姿を撮影されて(Das Otterhaus東雲水門と新豊洲地区』参照)います。う~ん、うらやましい…。
撮影地点のMapion地図


(20年11月1日撮影)

【21年1月12日追記】佐藤淳一氏のブログ「Das Otterhaus」の「東雲水門あれこれ」にトラックバックさせていただきました。

(この項おわり)