運河の円盤?

(『海老取川澪筋に灯標新設』のつづき)
FI2618261_1E.jpg前回に引き続き、これも往路の道々のお話。

東雲運河を下っていると、有明北橋の向こうに対向船を発見。…ん?
アレは本当に船なのかしら? と思えるほど、遠望した限りでは、背が低くえらくツルッとして、凹凸に乏しく見えます。何だか、空飛ぶ円盤が水に浮いているような、そんな印象です。

FI2618261_2E.jpg興味をそそられて、艇を右側に寄せて止め、カメラを構えて待つことに。
近づいてきたそれの正体は、グリーンの真新しい塗装も美しい、プッシャーバージでした。

う~ん、しかし、この角度から見ると、キャブ以外、どこも丸みを帯びていて、角がない感じ。円盤と勘違いしても、無理はありますまい。艀というと、黒く塗られた無骨な印象がまずあり、それがまた好みだっただけに、とにかく想定外ではありました。

FI2618261_3E.jpgまん丸な船首で、もこり、と水を押し分けて進む姿は、凸凹の少ないそのスタイルと、グリーンの塗装も手伝って、可愛らしささえ感じさせます。

押船の、小ぶりにまとめられた一枚窓のキャブも斬新で、子供のころに想像図で見た「未来のフネ」が現実となったような…そんな感じがしました。無骨者の牙城だった艀の世界にも、新しい時代が訪れているのですね。

FI2618261_4E.jpg後ろにはまる押船も、デザインや塗装が同じであるところを見ると、バージと同時に建造されたのでしょう。

ううん、真っ黒ゴツゴツのバージも、もちろん大好きだけれど、これはこれでいいなあ…。色や造作が揃っていて、これ以上ないほどしっくりきているのが素晴らしい。艀界のグッドデザイン賞。

FI2618261_5E.jpgそのまん丸スタイルに似た、まろやかな優しい船首波が、こちらまで伝わってきました。ゆらり、ゆらりと揺られつつ、後姿をお見送り。
塗色から察して、行先は宇部興産の岸壁(過去の記事『東雲運河…1』参照)でしょう。

また会えるかなあ…。
撮影地点のMapion地図


(20年11月1日撮影)

(『東雲水門のディテール』につづく)