入江川水系を眺める…10

(『入江川水系を眺める…9』のつづき)
FI2618254_1E.jpg長屋の前にもやうフネブネを見ていて、興味深かったのは、桟橋化している船(いや、もと船?)が多いこと。写真左の船は、キャブ直後の甲板に小屋掛けをし、漁具の倉庫としての役割もしているようです。

岸に平行している長屋の桟橋の構造から、岸と直角にミヨシづけし、船首から乗り降りするかたちをとるのが普通なのでしょうが、やはり舷側がつけられる桟橋があったほうが、繋留も簡単にできて便利なのでしょう。

FI2618254_2E.jpgこちらは、接舷した艇からの乗り降りがしやすいよう、舷側をざっくりと切り取り、上部構造も取り去って、かなり徹底した、「ポンツン桟橋化加工」をされていますね。
ちょっとかわいそうな感じもしますが、引退後も再度のご奉公ができると考えれば、船にとっても、悪いことではありますまい。

タネとなる船の形はもとより、用途に応じて加工の度合いも異なるので、スタイルも規模も千差万別。工夫を凝らした改造ぶりは、廃船再利用の見本市のようで、見ていて飽きません。

FI2618254_3E.jpgあるところから、桟橋付き長屋の増築率(?)が急上昇し、屋上には、総じて本格的な造りの、こぎれいな小家屋が立ち並ぶようになりました。

鉢植えで軒下を飾る家もあり、のどかな生活臭の漂うそのさまは、伊根の舟屋を思い出させる光景。ここが工業地帯と、市街地に挟まれた水路であることを、しばし忘れさせるような眺めでした。

FI2618254_4E.jpg家並みを割って伸びる、青い桁橋は、子安駅近くの国道15号線から分岐し、守屋町1丁目に渡る唯一の橋、常盤橋。

写真の右手に、面白いものを見つけました。



FI2618254_5E.jpg橋詰に接して建てられたこれは、コンクリート製のスロープをもつ船小屋。小さいながら、インクライン式の船台も備えられた、立派なものです。

漁協で建てたのでしょうか、子安浜に並ぶ漁船たちの、造修施設として使われているのでしょう。
撮影地点のMapion地図


(20年11月1日撮影)

(『入江川水系を眺める…11』につづく)