新山下運河…5

(『新山下運河…4』のつづき)
FI2618240_1E.jpg前回と重複しますが、このキノコ形ビットの、曲線もまろやかな造形に、吸い寄せられるものが…(実際、自然と艇を寄せてしまう)。

昔の映画の主人公が、片足を乗せてポーズを決める場面が思い出される、あのビット。鋳鉄製ばかり見てきたため、コンクリート製なのがまず珍しく、足が太めなせいか、まるでお地蔵さんのような可愛らしさで、存在感抜群ですね。

FI2618240_2E.jpgそして、この一角で一番会いたかったのが、ご覧の古風なクレーン君。kunlun-blogの「新山下運河の霞橋~横浜市中区」で拝見して以来、ぜひ、この目で見てみたいものだと思っていたのです。

手前に見える護岸の荒れた肌、低い草の生えた台座の周囲に、色あせた塗装など、少々さびしげな感じはするものの、廃墟の匂いはしません。周りが片付いているせいもあるでしょう。

FI2618240_3E.jpgほぼ側面を見たところ。台上の機器類に、カバーがかかっているところから察して、運転不能というわけではなさそうです。ワイヤーがまだ張られており、各部の錆もそんなにひどくないのを見ると、少なくとも近年まで、動いていたように思えました。

しかし…、大きさといい、ブームの長さといい、実に手ごろ(何が?)な、いい感じじゃないですか。この大きさのものが移動式でなく、がっちりと台座に固定されているあたりにも、時代を感じさせると言うか、何だか萌えてしまうものが。

FI2618240_4E.jpgしつこく、やや背面からも。すっかり気に入ってしまいました…、イヤ、会いに来てよかったですわ!

カウンターウェイトの背中、べったりと錆が出ているあたり、使われなくなってからの時間を感じさせますが、以前、過去の記事「横浜港散策…1」で紹介したクレーンと違い、年代モノらしい造作ながら、手を入れれば、すぐに動き出しそうなところに惹かれます。

FI2618240_5E.jpgクレーンの手前にあるポンツン桟橋には、横浜市港湾局の艇がもやっています。ここは、港湾局・港湾整備事務所の施設なのだそうです。運河の全盛期を髣髴させる、貴重な風景が残されていたのは、自治体の施設であることも、大きいかもしれません。

艇の向こう、ふさふさと茂った藤棚が、また見事。新山下運河のオアシス…と言ったら、大げさでしょうか。
撮影地点のMapion地図


(20年11月1日撮影)

【20年11月14日追記】新山下運河の護岸とクレーンについては、がーちゃんフォトアルバム新山下辺りから山下公園へ」にて紹介されています、ぜひご覧ください。
【20年11月25日追記】2段目、このクレーンは「デリック」ではないことが判明しましたので、お詫びして訂正します。デリックとは、動力がクレーンそのものとは別にあるのものだそうです。

(『新山下運河…6』につづく)