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六郷水門…1

(『多摩川こわい…3』のつづき)
FI2618187_1E.jpg多摩川遡航二つ目のお楽しみは、赤レンガの美しい、六郷水門。
昭和6年竣工のこの水門、都内では珍しい、現役の古典的水門として各所で紹介され、今や名所的存在と言ってもいいほどです。

こんもり茂る、葦原に囲まれた雰囲気の良い水路の奥に、なで肩のシルエットが見えてきました。以前は、遠くから眺めるだけでしたが、この日は「呼ばれている」感じがして、初めて入ってみました。

FI2618187_2E.jpg初めての近影。最近の水門の表情も好きですが、各部に意匠を凝らさないと気が済まなかった、この時代の建造物の手間の掛け方もまた、いいものです。

左で釣りをしていたおじさんに「すみません、ちょっと入っていいですか? すぐ出てきますから…」と頭を下げたら、「ああ、いいよ!」と、快く竿を上げてくださいました。ありがとうございます! やっぱり「呼ばれている」だけあるなあ。

FI2618187_3E.jpgなんといっても、高欄(?)に掲げられている紋章が千両。この紋章、旧六郷町の町紋で、カタカナの「ロ」を九つ並べた円内に、「郷」の字が配され、「ロクゴウ」と読ませるもの。
言わば判じ物ですが、古いビルなどに掲げられた、昔の社紋などをよく見てみると、この手のなぞなぞのような意匠が、意外と多いものです。

中央に後付けされた、ライトとスピーカー、それに監視カメラのセットが、なんとも惜しい…。ほかに取り付ける場所は、なかったのでしょうか。

FI2618187_4E.jpg水門をくぐって、中に入ってみましょう。
レンガの肌は意外ときれいで、大切にされているさまがうかがえました。

ちなみに、水路の水深は1m台。少しでも澪筋からずれると、ぐっと浅くなるので、大潮やその前後数日の日中には、入ってみようと思わないほうがいいでしょう。2段目の写真に写っている、水門の両側にもやう艇も、大潮前後の干潮時は、干潟の上に座り込んでいた記憶があります。



FI2618187_5E.jpg水門をくぐって、裏側を見たところ。レンガの壁面には、繋留用のアイが打たれ、ロープを渡してあるところもあります。

しかし、扉体の上に突き出た、あの猫の耳みたいなもの…。裏から見ると、構造にもあまり関係がないようですが、なにか由来があるのでしょうか?
撮影地点のMapion地図


(20年9月5日撮影)

(『六郷水門…2』につづく)