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春海運河スペクタクル…3

(『春海運河スペクタクル…2』のつづき)
FI2618144_1E.jpg橋桁が増えているからには、それを運んできたヤツがいる、というわけで、本日の見たいものその②、超大型クレーンバージ!
思わず、うひょ~!と叫んでしまいました。

架設作業をすでに終え、現場を離脱するところでしたから、もうちょっと到着が遅れたら、この質量過剰な感動は、味わえなかったかもしれません。

FI2618144_2E.jpg前後を護る、警戒船の動きに牽制されつつも、巨船の魅力には抗し切れず、まるで引力があるかのように、じりじりと接近してしまいます。

…大きい! とにかく大きい! デカイ!

前後に2隻の曳船が付き、曳索をピンと張りながら、目を凝らさなければわからないほどの微速で、ゆっくりと港口方向へ移動している…。折からの東風での風落を、押さえているのでしょうか、写真の反対舷には、いま一隻の曳船が船首で押しており、クレーンバージの移動は、計3隻の曳船で行われていることが見て取れました。

高速で疾走しているわけでもなく、ましてや、ブームが振り回されているわけでもありません。むしろはた目には、ほとんど動きが見られないにもかかわらず、一大スペクタクルを目の当たりにしている感がありました。

FI2618144_3E.jpgしつこいですが、とにかく大きいです。ハイ。
圧倒されるばかりの質量過剰ぶり。

バックに見える、客船待合所の塔屋も高層ビル街も、みいんなまとめて吊り上げてくれそうな、力の権化のような、超長大なブームの頼もしさ!

友人に、上の写真を見せたら、「コラかと思った」と言わしめるほど、何だか現実感の乏しい巨大さ加減に、呆けて、ただ魅入られるばかりです。きっと、かつての50万tタンカーや、大和級戦艦を初めて見た人は、こんな心持ちだったに違いありません。

帰宅してから写真を開いてみると…、この、感覚が麻痺してしまうような巨船ぶりが、腕の悪いせいもあるのでしょう、どういじっても、うまく再現することができません。仕方がないので、写真のサイズをやたらと大きく(幅1600ピクセル)してみました。よかったら、クリックしてみてください。

FI2618144_4E.jpg業を煮やしたのでしょうか、赤い警戒船が、こちらに向かって来ました。少し増速して距離を取りましょう。

「超弩級」とは、もともと戦艦のクラスを指したものだったのが、字面や語感の力強さから、「もの凄く大きくて強力なもの」の意味で、一般にも使われるようなった言葉ですが、この船を置いて、「超弩級」と呼ばれるのに、ふさわしいモノはないように思えたものです。

FI2618144_5E.jpg離れると見せかけながら、正面に回りこんで、しつこく食い下がってみました(笑)。写真には写っていませんが、この左側にも警戒船がいて、にじり寄るように接近してくるので、あまり長居はできません。…警戒船乗り組みの皆さん、ご迷惑をおかけして、申しわけありませんでした。

こうして正面から眺めると、ビームやワイヤーが交錯して見え、また違った迫力がありますね。(アップは先週からのタイトルに掲載)
撮影地点のMapion地図

騒いでばかりいないで、本船のスペックもご紹介しましょう。
本船「富士」の所属する、深田サルベージ建設株式会社HPの「船舶・機器 起重機船 富士」によると、総トン数13,014t、船体全長105m、全幅46m、ジブ傾斜角70度時の主巻定格荷重(巻揚能力)3,000tという外観に違わぬパワフルさ。

もっとも、「富士」は同社で二番目で、僚船「武蔵」は15,238t、巻揚能力3,700tと、「富士」を大きく上回る怪力ぶりなのですから、深田サルベージ船隊の実力たるや、恐るべきのものがありますね。
クレーン船たちのネーミングも、「武蔵」「富士」「金剛」「大和」と、軍艦ぽくて惹かれるものが(笑)。さすが旧海軍御用、といったところでしょうか。

そうそう、帰宅後に検索してみたら、なんとナント、「富士」による架設作業を、日々記録しておられる方のブログを見つけました。しかも、お勤め先のビルの窓から見下ろした、素晴らしい写真が掲載されているのです!

井上準二氏のブログ、「Junji's Bay」をご覧ください。5月28日の「A New Bridge Over The Harumi Canal」、6月3日の「Like A Bridge Over The Trouble Water」、7月29日の「The New Bridge To Be Continued」と、橋脚が完成してから、橋桁が一つ一つ乗せられてゆくまでの経過が、架橋現場を直下に見下ろすという、絶好のビュースポットから撮影されています。

もし、私の勤め先がここだったら、「富士」が出動するたびに仕事を放り出して、窓辺にかじりついていたのはもちろん、出船入船が眺め放題の職場では、そもそも仕事が手につかず、早晩廃人になっていたことでしょう。
現実の仕事場が、川や運河から遠く離れているのは、まことに幸運だったと言わざるを得ません!


(20年7月20日撮影)

(『東雲水門の工事』につづく)