FC2ブログ

与田浦の造船所

(『鉾田船溜と鯉幟』のつづき)
FI2618101_1E.jpg北浦まで下ってきたからには、水郷に寄らなければウソだろう…というわけで、うんざりさせるようで恐縮ですが、またまた水郷です。

潮来で常陸利根川を愛でながら、遅い昼食をとり、食後は十六島に渡って、与田浦畔でのんびり。
そうだ、せっかく来たのだから、あそこを訪ねてみよう。

FI2618101_2E.jpg過去の記事「ふたたび水郷へ!…4」で、船頭さんに教えられた、与田浦畔にある、数少ないサッパ専門の造船所。

建屋の前には、運よく上架されたサッパが一隻、枕木の上に置かれていました。路上で世間話をしていた船大工さんに、「写真を撮っていいですか?」と声をかけると、「ああ、いいよ」との答え。水線下の形が見られるチャンスは、そうそうありません。では、お言葉に甘えて…。

FI2618101_3E.jpgとは言っても、一見、浮かんだ状態と、あまり変わりがありません。喫水が深くならないよう、敷(船底)の幅を広く取った、浅い水域に適した形状であることが、よくわかりました。

浅い喫水を保つには、重くなる固定式の構造は、取り付けられないのでしょう。ガラス戸は前後のみで、トップや側面がビニールのわけが、よくわかりました。重心降下のためもあるのでしょうね。

船大工氏によれば、船体を組んだ後、防水と船体の保護をかねた、ビニール塗料を塗り重ねて仕上げるとのこと。船体はもちろん、ほぼ外板のみで強度を持たせる、和船構造です。

建屋の中には、建造中の船体も見えました。内水専門の和船が、いまなお造り続けられていることだけでも、充分興奮モノです。ここで、自分好みのサッパを造ってもらえたら…などと、例によって、妄想もふくらもうというもの。

FI2618101_4E.jpg伏せた船体の前で、元気にしっぽを振る犬さん(勝手に『水郷犬』と命名)の、可愛らしい仕草を眺めながら、船大工氏と四方山話。

いわく、水道局の管理する、ダム湖に和船を作って納めたことがある、最近は映画(テレビ番組?)の撮影用に、三浦半島の某所にも一隻納め、船頭のなり手がいないので、自ら船頭となって映画に出た…など、など。
お仕事中にもかかわらず、興味深いお話をうかがうことができました。ありがとうございました。

船大工氏との会話の中で、先日、仲江間閘門(過去の記事『仲江間の小さな閘門…1』以下のシリーズ参照)を見に行ったのだが、あそこは観光サッパのコースから外れており、船で行くことができず残念…という話をしたら、「交渉してみたらどうだい、大丈夫だよ。船頭に話してごらん」との、意外なアドバイス。

無理を言うようで、何だか悪いような気もしますが…。地元の方がそうおっしゃるのなら、交渉してみる価値はあるかもと、船大工氏にお礼を言って別れ、さっそく十二橋めぐりのサッパ乗り場へ。
あの素敵な仲江間を、サッパで走れるかもしれないと思うと、なんだかワクワクしてきました!

FI2618101_5E.jpgせっかくなので、初めて水郷を訪ねたときにお世話になった(過去の記事『魅惑の水郷…1』以下のシリーズ参照)、観光サッパ乗り場でお願いしてみることに。

声をかけると、さっそく詰め所の中から、船頭さんたちが出てきて、にぎやかに出迎えてくれました。
「以前お世話になった者ですが…仲江間(なかえんま)に、舟を出していただけますかね?」と話を切り出すと、
「仲江間? お客さん、よく知ってるねえ!」と、船頭さんたちに驚かれる始末。
う~ん、大丈夫なのでしょうか?
撮影地点のMapion地図

(20年5月6日撮影)

(『仲江間をゆく…1』につづく)