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鶴見川…12

(『鶴見川…11』のつづき)
FI2618058_1E.jpg河道はS字に屈曲し、両岸はだいぶ草深くなってきました。

カーブのやや外側に針路をとって進んでゆくと、今まで浅かった水深は再び深くなり、もうちょっと行けそうかな、という期待が持てました。



FI2618058_2E.jpg北側に、大きな鉄塔の見えるあたりは、水辺に大きな葦原ができていて、今までとだいぶおもむきが異なります。

浅瀬や小さな洲は、いくつかあったものの、通水を阻害するようなものは、低水敷から極力排除している風に見える、実にさっぱり(?)とした河道でしたから、この急な変わりぶりは、いささか気にかかりました。
撮影地点のMapion地図

FI2618058_3E.jpgS字の中央付近には、高圧線が低く垂れ下がり、水鳥たちが、まるで音符のように留まっています。

ここでまた水深が浅くなり、魚探の感は、1mを切り始めました。
澪筋を探すため、浅い角度で河道を横断するように、ジグザグ航法をとって測深しつつ進みましたが、水深は浅くなる一方…。
潮時にもよるのでしょうが、どうやらこのあたりが、可航水域の終点と見て良いようです。

FI2618058_4E.jpg上の写真の位置から少し進んだところ、樽綱橋を茂み越しに望むあたりを、遡航限界点として転進。
およそ10km強の鶴見川の旅を、終えることにしました。

なお、このシリーズの初めでも引用した、「図説 鶴見川」によると、かつての肥料運搬船は、最も上流で小机付近(Mapion地図)まで遡航していたとのことです。


以前、「川走りに役立つウェブサイト」でもご紹介しましたが、Google航空写真で、鶴見川のこの近辺を観察すると、潜水橋の橋脚らしいものが、点々と河道を横断しているのが見えたので、このあたりが遡航限界点かな、という目星はついていました。

今回、実際に訪れてみると、潜水橋の橋脚は跡形もなくなっていたものの、水深が浅くなって折り返した地点が、まさに潜水橋のあったあたり…。
航空写真から消えたのは、潜水橋だけではありません。南岸には、何らかの積み込み施設が2ヶ所あり、その対岸にも、ドルフィンか何かの、繋留設備らしいものが見えます。艇から見たかぎりでは、いずれも確認できず、撤去されたとしか思えませんでした。

以上のことから推測すると、どうやら近年まで、建材輸送か何かのバージが、遡上してきていたのではないでしょうか。
そう考えると、潜水橋のあったこの付近まで、水深が確保されており、ここから上流は、急に洲が多くなるのも、納得がゆきますね。
(参考までに、Google航空写真に印をつけたものを作ってみました。青印が今回の遡航限界点、赤印が積み込み施設の跡、緑印が繋留施設らしいものです。)

FI2618058_5E.jpg青空がのぞき始め、気温も上がってきた明るい川面を下ります。流速が加わり、同じ回転数でも、船足がスルスルと伸びて、なかなか爽快。

初めて訪れた鶴見川でしたが、競技艇の櫂音すら耳にできるような、静かで、しかも広々とした、安心できる可航河川…といった印象を受けました。
可航域の橋は、桁下高も充分あるので、ハードトップ艇での散策にも不安はなさそうです。

(20年4月27日撮影)

(『大黒運河…1』につづく)