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妄想とこだわり

FI1604572_0E.jpgリンクさせていただいている、narrowboatさんのコメント欄で、こちらも当ブログ創設時からのリンク先、JO_NA_KAさんより、関宿閘門が突破できない件で、「ペラにこだわらなくてもジェットでも外輪?でも帆?でもいいのでは。」というコメントをいただき、ハッとしました。

まったくJO_NA_KAさんのおっしゃるとおりで、川走りそのものが好きであれば、私の艇のような、プロペラ船外機艇が走れない水路は、それこそ外輪のような、河川航行専門の装備を持った艇を特注するか、もっと小型の艇、カヌーなりインフレータブル(ゴムボート)なりに乗り換えて、踏破?すればよいわけです。

それをしないのは、私が怠惰な人間であるのも原因ですが、まあ、それなりのこだわりもあって、ある種ふんばっているところもあるのです。

前にもお話した通り、私は妄想癖があり、以前「こんな河川用小型艇があったらいいなあ」と、方眼紙上に、河川用艇のデザインを書き散らしたりしたこともありました。
幅広で喫水の浅く、乾舷の低い、しかも分厚い頑丈なキールを持ったFRPハル。トンネル状に凹んだハルに、半ば収まったプロペラは、もちろん船底より上に位置する。ペラはシュラウドリング付きならなお良い。舵は、低速でもよく効く、大舵面のバランスドラダー‥。

言うなれば、戦前、列強と言われる諸国が、租界警備のために長江に常駐させていた河用砲艦と、つい40年ほど前まで利根川水系を走っていた、和船改造の発動機船を足して2で割って、小型プレジャー版にしたようなモノを、思い描いていました。

こんな艇が一般に向けて発売されたら、借金をしてでも買いたいところですが、川走り人口が爆発的に増えでもしない限り、あまりにも実現には遠過ぎますから、本当の妄想で終わりそうです。

妄想はさておき‥私がなぜ、川走りをより楽しめそうな、もっと小型の艇や、インフレータブルを選ばずに、先代、現愛艇と二代に渡り、「俗」な20ft前後のバウカディ(船首に船室のあるタイプ)に乗っているかと申しますと、「船内泊」の魅力には、抗しがたいものがあるからです。

河原の虫の声が聞こえる川面で、夜光虫の光る波静かな湾内で、ハッチに蚊帳を降ろして夜風を入れながら過ごす夏の夜は、不思議なほどに艇との一体感がいや増す、実に素敵な時間です。

仮住まいとは言え、自らの住みかと一緒に川や海をゆくことができるのは、言葉では言い表しにくい、幸福感があるのです。「命を託している」実感が湧くのでしょう、自然、艇への愛着も増そうというものです。
過酷な外海をゆく、ヨット乗りの方々から見れば、お笑い種かもしれませんが‥。

かつて利根川を往来した、高瀬やベカの「セイジ」と呼ばれる、タタミ三畳ほどの小さな居住区に夢を結んだ船頭たちも、似たような心境だったのでしょう。彼らは非常に綺麗好きで、毎日セイジを拭き上げたそうですが、私も全く同じ心持で、先代艇で初めて船内泊をして以来、やたら掃除をするようになってしまいました。

遊びブネ乗りとはいえ、一般の人よりほんの数ミリ、高瀬の船頭に近づいた気がしています。
(気がしているだけかも。)


次回は、本日の出張先で撮影した、古い閘門をお目にかけます。

(写真は曙北運河、越中島貨物駅のガーダー橋。平成17年6月5日撮影)