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息栖船溜…1

(『息栖神社』のつづき)
FI2617968_1E.jpg一の鳥居から、駐車場の横を通り、家並に挟まれた参道を抜けて、浜鳥居の前に出ると、さっと視界が開けて…。
おお、ここも船溜になっている!

こんな素敵な風景が広がっているとは、思ってもいなかったので、目にした最初の感動は、かなりのものでした。
浜鳥居の左右には、柵に囲まれた小さな鳥居が…。あれは何でしょう?

FI2617968_2E.jpgまずは、向かって左側の、背の低い鳥居から。澄んだ水を湛えた枡に、鳥居が浸かっている格好です。

近くに立っていた説明書きによると…、これは忍潮井(おしおい)と言って、その昔、息栖神社がこの地より数km下流の、日川にあったころ、海水だった神社前の水面から、真水が噴き出す泉が二つあり、「潮を押し分けて出る井戸」の意から、忍潮井と名づけられたそうです。

井戸は、白御影石でできた瓶を埋めてあるとのことで、神社でいただいた冊子「東国三社 息栖神社略記」には、河道改修前の、大鳥居とともに河中にあったころの写真が掲載されています。
二つの忍潮井は、男瓶・女瓶と呼ばれており、写真のものは鳥居が低いので、おそらく女瓶の方でしょう。

FI2617968_3E.jpgこちらが右側、男瓶と思われるもの。
伝承によると、日川からこちらに神社が遷された際、水中に残された二つの瓶は、神を慕って泣き暮らし、なんと、ついには川を自力で遡って、今の浜鳥居の前に来てしまったそうです。
さらに、こちらに来たのはよいが、今度はもといた日川が恋しくなり、やはり時には泣いていたというのですから…。なんとも、ユーモラスなお話ですね。

このあとに見た、境内の説明板では、「水の澄んだ晴天の日でなければ、瓶は見えない」、とのことでした。この日は幸い、雨や雪が降った翌日ということもあり、のぞきこむと、丸い瓶の口が見えたのですが…。そんな貴重なものとは知らず、写真に収めるのを忘れていました。残念!

FI2617968_4E.jpg樋門があり、数隻の船がもやう水面は、他の船溜と変わりがありませんが、水辺には、砕石を敷いた散策道が、並木とともに整備されていて、清々しい雰囲気。やはり神前だけあって、一味も二味も違います。

ここを訪れる前に見た、二つの船溜との「格の違い」みたいなものも感じられて、感動もひとしおでした。

FI2617968_5E.jpg散策しながら写真を撮っていたら、水面からガアガアと鳴き声が…。見ると、沈船の上に、丸々太った鴨さん夫婦が休んでいました。

この鴨さんたち、餌付けされているのか、やたらと人懐こく、私が船溜の周りをあちこち歩いていると、後をついて来て、もの欲しそうに鳴くのです。
きっと、お腹が空いていたんでしょうね。
撮影地点のMapion地図


(20年2月10日撮影)

(『息栖船溜…2』につづく)