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和船友の会で体験乗船…3

(『和船友の会で体験乗船…2』のつづき)
FI2617950_1E.jpg親水公園の北端近く、三島橋の手前でふたたび折り返します。
この向こうは、扇橋閘門もほど近い、小名木川と横十間川との十字流ですが、親水公園の水面は外の水路とは仕切られており、水面の高さも異なるので、外に出ることはできません。

帰路は、ほんの少しだけですが、お願いして、櫓漕の体験をさせていただきました。
実は…昨年から我流で、櫓漕ぎの練習を始めており、ひととおり漕げるようになってから、本職の方に見てもらい、悪いところを指摘していただこうと思っていたので…。今まで訪ねたい気持はありながら、こちらにうかがうのが遅くなってしまったわけです。
撮影地点のMapion地図

で、練習の成果は如何、と申しますと…。
ホンモノの和船を動かすということで、ちょっと緊張していたのでしょうか、さっそく櫓をログイ(支点の突起)から脱落させる、という失敗をやらかしてしまいました(泣)。
ようやく櫓の座に立つと、今度はベテラン会員の方から「左足を前に出すんだよ」と、ポジションの指導が入るなど、もう惨憺たるありさまです(涙)。

そんなわけで、会員の方のように、スマートに力強く、というわけにはもちろん行きませんでしたが、ベテランのご指導もあって、数分間の櫓漕を楽しませていただきました。オールと違い、先端が水から離れることはない櫓は、漕いでいるときも、音らしい音はほとんどせず、とても静かです。
小粋な一本ミヨシの舟を、この手で漕いでいる…。和船好き冥利に尽きるひとときでした。
(櫓漕中のシーンについては、リンクさせていただいているGL-Laboの、『本物の「櫓‥実物と妙技」をこの目で見る』に、詳しい記事が掲載されています。ぜひご一読ください)

FI2617950_2E.jpg帰路に行き合った、猪牙(ちょき)舟です。岩井橋下の船溜りに、仕舞いに行くのでしょう。

時代劇などで、名前をご存知の方も多いと思いますが、荷足(にたり)や伝馬が客貨兼用だとすれば、こちらは旅客専用です。開き(側板の取付け角)の少ないスマートな船型で、スピードが出しやすかったため、今で言えば水上タクシーとして、重宝された船種でした。
ただ細身な分、揺れやすいでしょうから、漕ぎ方には熟練を要するかもしれませんね。

FI2617950_3E.jpg船着場近くまで戻ってきました。水路の狭くなった部分、中央に小島が設けてあるのが見えます。噴水か何かでしょうか。
もともと、貸しボート場も兼ねているので、水面に変化をつけるためでしょうね。

写真左には、これも船溜りに帰る舟が一艘。お一人で「単独航行」されているので、経験者とお見受けしました。

FI2617950_4E.jpg楽しい時間は、本当にあっという間に過ぎ去ります。桟橋に接岸し、お礼を言った間なしに、舟の収納準備が始まりました。
年配会員の指揮のもと、テキパキと支柱が立てられ、オーニングがかぶせられて準備完了。船乗りらしい、息の合った手際の良さは、見ていて爽快なものでした。

会員は、江東区在住の方ばかりではなく、遠方から、毎週の活動日に通ってこられる方もおられるとのこと。また、入会するまで、船に触れたこともなかった、という会員もおられるそうです。
皆さん、熱心だということはもちろんでしょうが、櫓漕と言う技術を守ってきた、先輩に対する尊敬がなければ、このチームワークは、生まれ得なかったように思えました。

FI2617950_5E.jpg最後の一艘が船溜りに向かい、会員の皆さんが乗船場の前に集まると、片づけながらの雑談会、といった雰囲気に。
先ほど同乗してくださった、ベテラン会員の方を中心に、興味深いお話をたくさん伺うことができました。

曰く、和船のうち一艘は、ヨットの造船所として海外にも有名な、佐野造船所で造られたものがあること。ベテラン会員のお一人は、かつては艀を家として、本船との瀬取りに働いていた水上生活者であり、今でも陸にいるより、船に乗っていた方が元気があること。ご自身も友人の17ft艇で、東京湾を縦断、館山(!)まで行ったことがある……など、など、面白いお話ばかりで、寒さも忘れるほどでした。

そして何より、会員の皆さんが、心から和船がお好きで、この体験乗船会を運営されていることが伝わってきて、胸熱くなる思いがしたものです。
会員の皆さん、大変お世話になり、ありがとうございました。
もっと練習して、上手に漕げるようになってから、またお邪魔させていただきたいものです…。

(20年1月27日撮影)

(『クローバー橋を渡る』につづく)