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仲江間の小さな閘門…3

(『仲江間の小さな閘門…2』のつづき)
FI2617939_1E.jpg堤防の上から見たところ。ここでようやく、閘門の全貌を見渡すことができました。しつこいようですが、集落と堤防に包囲?された小閘門なんて、そうそうあるものではありますまい。これも水郷ならではの光景と、言ってよいのではないでしょうか。

手前に写っている2車線道路、結構な交通量があり、しかも信号がほとんどないので、クルマもビュンビュン飛ばしてきます。道を横断して堤防に上がるのは、ちょっと勇気がいりました。
撮影地点のMapion地図

FI2617939_2E.jpg前後しますが、前回紹介した、操作盤のある支塔の表面に、改修時のメーカーズプレートがありました。写真ではわかりにくいので、以下に書き出してみましょう。

工事名 昭和58年度 
 仲江間二重水門改修工事
 上流ゲート
名称 鋼製スルースゲート
 MSL-275215MW-3C型
規格 有効巾 2.744m 有効高 3.070m
 扉体巾 2.945m 扉体高 2.150m
開閉装置 ニ連型電動巻上機
製作年月 昭和59年8月
製作 三菱重工業株式会社


この閘門の正式な名前は、「仲江間二重水門」と言うのですね。「船通し」「船通しゲート」という異名は、何回か目にしましたが、「二重水門」なる呼び名で閘門を指す例は、初めてです。
水路名からてっきり、「仲江間閘門」だとばかり、思っていたのですが…。もしかしたら、厳密には、閘門にカテゴライズされない存在なのかもしれません。
1月4日の記事、「閘門の研究団体が発足していた!」でもご紹介した、「日本の閘門を記録する会」の、「H19年8月時点で所在地が判明している各地の閘門一覧表」では、「仲江間閘門」となっているのですが、この違いはどういうわけなのでしょうか?

FI2617939_3E.jpgまたも前後して恐縮ですが、下流側ゲートから少し歩いて、仲江間水路の様子を見ることにしました。

前回触れたように、集落を出てすぐのところで、水路は東に向きを変え、あとはほぼ真っ直ぐに与田浦を目指します。
静かな水面に、正面のキノコ形をした木が姿を映し、ひなびたいい雰囲気ですね。


FI2617939_4E.jpg屈曲部を過ぎると、前回のタイトルで、すでにご覧に入れた風景が、視界いっぱいに広がったのです。
水郷でなければ味わえない、消失点までひたすらまっすぐ、まるで空間を貫かんばかりの水路情景を目にして、言葉では言い尽くせない感動がありました。

たとえ、自艇で走れなくとも、ここを航行することを想うだけでも、胸が一杯になってしまうような、理想の水路風景…。
ちょっとカッコをつけて、「心象航行」とでも、申しましょうか。デッドスローで、鏡のような水面にさざなみを作りながら、ゆるゆる進む我が艇の姿を想像するだけで、陶然とさせる魅力が、ここ仲江間にはあったのです。

これからも、ますます水郷に惹かれ続けるであろうことを、確信させる眺めでした。

FI2617939_5E.jpg水路にもやう、小型のサッパ―かなり略式で、田舟に近いもの―と、ディンギーのなれの果てらしい、色あせたFRP艇。
ひなびた水路を彩る点景としては、なかなか良いものでした。

ところで、今までここを「仲江間水路」、などと呼んできましたが…、「江間」は、水郷の言葉で言う「エンマ」、すなわち水路そのものなので、本来は「仲江間」、と呼ぶのが正しいのでしょうね。


(20年1月3日撮影)

(『仲江間樋管』につづく)