FC2ブログ

初島の自由港?

FI1525867_0E.jpgまたも思い出話ですが…ご辛抱ください。

平成7年ごろだったと思いますが、フネ好きの知人を乗せて、一度だけ初島に行ったことがありました。
当時ですでに10ン年落ちの木っ端ブネ、それに素人船長ですから、三浦から伊豆東岸へ、ろくに陸影も見えない相模湾を、コンパスを頼りに横切るのは、さながら鳥のヒナが、生まれて初めて、高枝から高枝へ飛び移るのに似て、大冒険の感があったものです。
例によって、薄もやのかかった風の弱い日を選び、緊張の面持ちで出港しました。

さて、無事初島に着いて、ぐるりを廻ってみると、熱海通いの定期船が入る小さい港のほかに、もうひとつ、海図にも描いていない、防波堤に囲まれたポンドを発見。
港口まで近づいて覗き込むと、接岸しているのはプレジャーばかりで、しかも防波堤以外は何の設備も見当たらず、鉄骨がむき出しの部分も見え、建設中の雰囲気でした。

思い切って入港し、ボラードのある正面の岸壁に接岸すると、岸壁に立っていた初老の男性がもやいを取ってくれました。
お礼を言いながら「ここは繋いでもいいんでしょうか?」と訊くと「ああ、構わないんだよ」との答え。「漁協とかに断らなくていいんでしょうか?」「(笑いながら)大丈夫、大丈夫」…どこが管理している港なのか、結局よくわかりません。まあ、おじさんは大丈夫だというし、一休みすることにしました。

岸壁から離れて、少し小高いところで一服しながら、撮ったのがこの写真です。
ちょうど、先代愛艇と同型の、ハードトップ付きの艇が入港して来たところです。
すぐ隣に接岸したので、走っていってもやいを手伝ったところ、向こうも同型艇に出会うのが珍しいのか、しばらく話し込んでいきました。

落ち着いて周りを見回すと、ボートに乗ってきた人たちが、岸壁でバーベキューをしたり、酒盛りをするグループもあり、のんびり釣り糸をたれる人、海水浴をする子供たち…この、誰が管理しているのかもわからない、少々殺風景なミニ・マリーナで、皆思い思いに楽しんでいました。
まさに自由、というか、無政府状態。まあ、治安が悪い感じはしませんでしたが…。

だいぶ経って、ここにマリーナ付きのリゾートホテルが完成したことに気づき、ありゃ、やはり勝手に入港して悪かったかしら…と頭をかきました。ゴメンナサイ。
と、いうことは、この港も現在は有料だということですな。

あの日、遠路?はるばるやって来て、少々心細くあった我々を、温かく迎えてくれた「初島自由港」の、おだやかな表情を思い出しつつ、そういや、自分が寄港した中では、タダで利用できた港ってここだけだったなあ…と、みみっちい感慨をもよおすのであります…。