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「恋する水門 FLOODGATES」が出ました!

先日、「水門写真集、ついに刊行!」でもお知らせしましたが、写真家・佐藤淳一氏による水門の写真集、「恋する水門 FLOODGATES」を、昨日購入しました。

FI2617796_1E.jpgこんなに本の発売が待ち遠しかったのは、久しぶりです。手にしてまず、本を眺めると、造本、判形とも、旧岩淵水門を表裏いっぱいに配した、カバー写真にしっくり来ていて、すてきな装丁です。待った甲斐があったと、改めて嬉しさがこみ上げてきました。

さっそく写真を拝見してみると…モニター上で見るのも良いですが、やはり印刷物として見られるのは、安心感が違いますね。写真もキレイです。当たり前の感想で申しわけありません(笑)。
私にとって身近な、関東地方の水門が多く収録されており、あ、これは艇でくぐったなあ、こっちはあそこに行った時に訪ねたっけ…と、まずは好き者(?)なりの面白がり方で、本で眺められる喜びを噛みしめました。

また、ウェブサイト「Floodgates[水門]」では、水門1基につき写真1枚の原則が貫かれていて、少々物足りないところもあったのですが、この本では、例えば渡良瀬遊水地第一水門のように、違うアングルの写真が、4枚も掲載されていて、さまざまな表情が味わえるものもあり、ちょっとトクをした気分にもなれました。

これは、ウェブサイトの読者にはおなじみの部分でありましょうが、巻頭と巻末に配された、佐藤氏が語る水門とのなれそめ、解説の中に盛り込まれた、さまざまな意見(サイトの解説に、加筆された部分が特に)も興味深く、全体のページ数から一見すると、文章の量が少ないようでいて、その実非常に読み応えがあった部分でした。

ことに、読者が水門を訪ねる道すがら、目に入る種々の土木構造物に興味を抱いて、そこから派生してくるであろう、色々な土木趣味の広がりを示唆するくだりは、思わずヒザをたたいたくらいです。

水路を走ることを主な目的としていても、現れては消える水門や橋に、吸い寄せられて(笑)しまうくらいですから、水門をターゲットとしている人が、他の土木構造物にもピンと来る、という状況は、容易に想像できます。趣味的に近い立ち位置ということもあり、すでに下地ができているわけで、この方面の今後の展開も、楽しみではありますね。

で、大変申しわけないのですが、本のご紹介記事の例によって、ハテ、と思い当たった部分を一つ…。

瑣末なことですけれど…「楽しい閘門!」の項で、「日本の閘門はどこも水位差せいぜい数十センチのオーダー」とは、いかがなものでしょうか。潮位にもよりますが、数mに達する閘門もあります。

それに、そもそもの成り立ちや規模の違う海外の閘門と、国内のそれを比較されるのは、ちょっと無理があるようにも思えます。また、この項だけ、海外との比較になっているあたりも、唐突な印象を受けました。
「水位差が小さいものより、大きい方が面白いのだから、仕方がない」と言われれば、お好みの問題ですので、それはそれまでですが…。

ともあれ、水門の設計や施工に携わる人のための、教本や学術書ではなく、水門の好きな人が、同じく水門の好きな人々に向けて発信する本、純粋な趣味の本としてはまさに初めてのもので、その意義は大きいと思います。

水路を舟航する皆さんにも読んでいただいて、いつも何気なく通航している水門に、新たな魅力を見出してもらえるならば、皆さんが川を走る楽しみも、さらに増えるのではないでしょうか。

★発行元・㈱ビー・エヌ・エヌ新社のサイトはこちら。「この夏お薦めの1冊」!