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富山港展望台

(『岩瀬運河…2』のつづき)
FI2617793_1E.jpg大漁橋を渡り、「回船問屋群のあるまちなみ」として保全されている、岩瀬の中心地・大町通りに向かおうと歩いていたら、富山港近くの公園に、写真のような建物を発見。
近づいてみると、富山港を一望できる展望台で、入場無料だそうです。ちょっと寄り道してみましょう。

館内でいただいた刷り物によると、展望台の形は、岩瀬の船乗りに篤く信仰されていた、荒木町金刀比羅社の常夜灯をモデルにしたとのこと。
かつて、神社の常夜灯は、船舶を導く灯台の役目もしましたから、港のシンボルとしてのデザインには、まさにうってつけのものと言えるでしょう。
撮影地点のMapion地図

FI2617793_2E.jpgうわあ………この階段を登るのか…(泣)。酷暑の中を歩いてきた体には、ちょっとキツいなあ…と、早くも泣き言。
ちなみに、展望室までの高さは20m。昭和60年竣工だそうです。

内部には、東岩瀬港時代からの、富山港の歴史や、神通川の河川改修の様子などが展示されていました。
なお、階段室は常温でしたが、展望室はさすがに冷房が効いていて、ヤレありがたい、と、ベンチにへたりこむだらしなさ。

FI2617793_3E.jpg一休みしたところで、さて、富山港のパノラマを堪能しようかな…と思ったら、目前の強烈なシーンに、目が釘付けされてしまいました。
中古車や廃車を満載した、ロシアの貨物船です。

ニュース映像などで、自動車を運搬するロシア船の過積載ぶりが、たびたび紹介されているのを見たことはありますが、実際に目にすると、そのアバウトさ(笑)たるや、筆舌に尽くしがたいものであることが、よくわかりました。
こんな華奢な仮設甲板の上に、隙間なく積んだのでは、ちょっとした悪天候でも荷崩れを起こし、ポロポロ海に落としてしまうであろうことは、想像に難くありません。

FI2617793_4E.jpg展望室から北方、富岩運河の入口を見たところ。写真右手、クレーンが2本見える左が運河の入口、右手奥には神通川の水面も見えます。
運河の入口付近は、6号・7号物揚場と呼ばれ、港湾の一部として使用されています。

昭和14年に、海外にも開かれた「開港場」としての指定を受けて以来、日本海沿岸諸国との貿易で栄えてきた港だけに、街を歩いていると、キリル文字の看板がちらほら目についたりして、異国情緒が味わえる街でもあります。

なお、岩瀬・富山港の歴史については、「にぎわい探検隊 北前船の巻」(日本海にぎわい・交流海道ネットワーク)が、よくまとめられています。

FI2617793_5E.jpg展望室の東方に回ってみると…、むしろ港湾風景より、こちらに息を飲みました。

みごとな甍の波、波。漆黒の瓦屋根が、夏の日差しにキラキラ輝いて、本当に美しい光景です。
大げさかもしれませんが…日本海交易で栄えた、この街のかつての栄華と矜持を、目の当たりにしたような、そんな気持ちになったものです。

(19年8月8日撮影)

(『回船問屋のある街…1』につづく)