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香取神宮

(『津宮』のつづき)
FI2617729_1E.jpg水郷訪問の最後は、香取神宮参拝で締めくくることにしました。

これまで、下利根を三度も訪れていながら、一度もご挨拶していない、というのも失礼な話ではあります。また、江戸時代から水郷観光が盛んだったのも、ひとえに香取・鹿島両神宮の、参拝ルート上にあったことが大きく、水運史ともゆかりの深い存在であることから、何か関連するものでもあれば、との期待もありました。

本殿のある岡のふもと、大鳥居の前の参道は、土産物屋さんや食堂の並ぶ、小さな門前町のおもむき。買い物や休憩はあとにして、まずはお参りです。
撮影地点のMapion地図

FI2617729_2E.jpg大鳥居をくぐると、参道はすぐ登りになり、ご覧のとおり深い緑に囲まれて、深山幽谷といった感じ。玉砂利の敷かれた曲がりくねった道は、神域のムード満点です。

古代、現在の下利根沿岸の低地は、広大な入り海であったそうですから、神宮が創建された当初は、岡のすぐ下までみぎわが迫り、社殿が水面に姿を映していたのでしょう。

FI2617729_3E.jpg豪壮な朱塗りの楼門をくぐると、正面に拝殿が見えました。

他の建物は、朱塗り・唐金葺きなのに比べ、本殿と拝殿のみ白木・桧皮葺きの古式で、全体に黒っぽく見えるあたり、遠く古代からある厳かさを感じさせ、社殿を囲む杉木立の、真っ直ぐな姿と相増し、身が引き締まるような爽やかさがありました。
(詳細は香取神宮HP参照)

FI2617729_4E.jpg参拝を終えて、境内を見回すと、さっそく発見が。どう見ても軍艦の錨です!

近づいてみると、退役した海上自衛隊の練習艦、「かとり」の主錨でした。「かとり」は、先日「4月15日のフネブネ…2」で紹介した、「かしま」の先輩艦です。「かとり」現役時の、歴代の練習艦隊幹部は、遠洋航海の前に、旗艦に名前をいただいた香取神宮を参拝し、航海の安全を祈ったそうです。

この後、宝物館を拝観したところ、旧海軍からの「香取」名を冠した歴代艦の絵や、「かとり」が遠洋航海から持ち帰り、奉納したさまざまな記念品が展示されており、海上守護の神様として、海軍や船乗りとは、縁深いことが伺えました。

そうそう、海軍で思い出しました。写真を撮り忘れてしまったのですが、楼門の掲額は、日露戦争時の連合艦隊司令長官、東郷平八郎の揮毫によるものだそうです。

FI2617729_5E.jpg参拝の後のお楽しみ、小さな「門前町」をぶらぶら。喫茶店では、おいしいアンコ餅をいただき、参道に並ぶ、陶器や漬け物を商う店を見て歩きました。

写真は、「門前町」入口角の、お土産物屋さんのマスコット、九官鳥君。

物怖じしない、とてもおとなしい子で、なぜかしっぽはないものの、毛ヅヤも良くきれいな羽でした。黒い瞳で、道行く人を眺めつつ、盛んに羽づくろい。可愛いなあ…。


ともあれ、色々な発見もあり、好天にも恵まれて、二度目の水郷訪問は大満足でした。美しく、歴史ある風物に囲まれた水路風景…。やはり水郷は、水路バカ(笑)の理想郷であると、この木っ端ブネ船頭、改めて、深く感じ入った次第であります。
やっぱり、自分の艇で思うさま、走りまわってみたいなあ…。

(19年4月30日撮影)

4月30日の項の参考文献
新編 川蒸気通運丸物語(山本鉱太郎 著)崙書房出版
岩波文庫 利根川図誌(赤松宗旦 著)岩波書店
佐原の歴史散歩(島田七夫 著)たけしま出版
水郷の生活と船 千葉県立大利根博物館

(この項おわり)