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早朝の江戸川河口

FI1417598_0E.jpgええ、「水路をゆく」と題しておきながら、しばらく河川以外の記事が続き、大変失礼いたしました‥。
これからも、時々脱線して、あらぬ方向に話題が飛ぶことと思いますが、やはりボート乗り、海やフネの話題も気になるということで、どうかご容赦ください。

平成5年夏「遠征」(笑)の記録、つづきです。ようやく目的の江戸川に到着です。

写真は、朝もやに煙る江戸川河口、トラス橋は京葉線江戸川橋梁です。

江戸時代初期、のちに言う「利根川東遷事業」が完成するまで、利根川はここから海に注いでいました。
利根川の一支流となってからも、今度は銚子の湊に入った東北の米を江戸に運搬する、内陸航路のメインストリートとして、機能するようになりました。

運ばれたのは米だけではなく、生活必需品、雑貨その他の物資も、高瀬舟などの大型川舟によって流通されたことでしょう。江戸に花開いた町人文化も、この川に沿って流域の町村に伝播し、人々に大きな恩恵を与えた川です。
(利根川東遷については、こちらが詳しいです‥利根川百科事典・歴史

その、偉大な、と呼んでも言い過ぎではない川に、通運丸や高瀬、ベカ、ボウチョウが行き交った、かつてのわが国最大の舟運河川に、自分の艇で来ることができた!
これからここを走ることができる!
‥少々暑苦しく思われるかも知れませんが、長い間、本で何度も読んで想像を膨らましていただけに、喜びは一層深いものとなり、小躍りしたくなるようでした。
今思い出すと、さすがにちょっと恥ずかしいのですが、あの嬉しさは、忘れられません。


朝凪の水面はほとんど波もなく、ただ低い、かすかなうねりが艇をゆるく上下動させます。
音は、自艇がゆるゆると揺れて、ハルが水面を叩く音が聞こえるだけ。

この水面の状態を、言葉で表すとしたら「ヌラヌラ」といった感じ‥まるで、寒天かなにか半固体のように見え、艇から降りると、プヨプヨと歩いてゆけそうな気すらしました。

「ヘンなものに惹かれて…6」の翌朝、塩浜からここまで来たのですが、この静かな水面を切り裂いて、珍しく全速力で艇を進ませたときは、新雪にスキーを踏み出すのにも似た、なんとも爽快な気持ちがしたものです。