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両国橋の絵ハガキ

FI2617672_1E.jpgこちらも、「榛名号」と一緒に、古本屋さんで入手したものです。
昭和の初めでしょう、震災復興成った東京の名所を、観光バスでめぐるという想定の4枚組みで、当時のバスガイドさんらしい口調のキャプションが楽しく、時代を感じさせます。発行所は記されていませんでした。

うち一枚に、竣工からまだ間もない、美しい両国橋の姿を写したものがあったので、ご覧に入れます。
西岸下流側から撮影したもので、対岸には、「大鉄傘」とも称された、旧両国国技館の威容が望まれます。橋上に目を転じると、この時代としては、結構な数の自動車と、行きかう人々が見え、街道筋らしい賑わいがありますね。

川面の方も、遠景ながら、いくつかの船影が…。
左端に、川越艜(ひらた)らしい和船が、小さな帆を上げて遡行している姿が見えます。行き先は新河岸川でしょうか、それとも戸田河岸でしょうか。帆柱が、なりの割に低いのは、橋をくぐるさい、帆柱を倒さなくとも、通過できるようにするためなのでしょう。

艜の向こう、「ユニオンビール」と書かれた広告塔の近くには、ダシ(桟橋)にもやう、白塗りの汽船がおり、両国橋の下にも、舳先だけのぞかせた、航行中の曳船らしき姿が見えます。

高い建物が少なく、遠方まではるかに望める、この時代の東京のすがすがしさ。復興橋梁としては、むしろ地味な桁橋である両国橋の、これほどまでに圧倒的な存在感…。70年あまりを経て、周囲の風景は一変してしまいましたが、両国橋が、独特の球形の親柱とともに、変わらぬ姿を留めていてくれるのは、とても嬉しいことですね。