FC2ブログ

舟、山に登る?

FI2617649_1E.jpg昭和30年代に、NHKで放映されていた、川船の船長が主人公のテレビドラマ、「ポンポン大将」(『ポンポン大将』が見たい! 参照)を気にし始めてからというものの、リアルタイムで見ていた世代の方にお会いするたび、可能な限りストーリーなど、思い出話をうかがうことにしているのですが…。

ある日、昔映像のお仕事をされていた方とお話したとき、「NHKの放送博物館に行けば、何か見つかるかもしれないよ?」とのご指摘を受け、これはうかつだったと頭をかきました。ぜひ見学せねばと、2月11日に、写真の愛宕山トンネルの前に立ったわけです。

東京に生まれながら、愛宕山を訪れるのは、恥ずかしながら初めてです。神社の石段を登ってもよかったのですが、今はトンネルの左に、立派なエレベーターができているので、行きはそれを利用することにしました。

FI2617649_2E.jpg放送発祥の地に建つ、NHK放送博物館に到着。
古いラジオやテレビのたぐいも、嫌いではないので、タップがずらりと並んだ鉱石ラジオや、スキャニングディスクかぶんぶん回る最初期のテレビカメラなど、メカニカルな魅力あふれる展示物を眺めながら、4階の、番組公開ライブラリーへ向かいました。

ライブラリーの受付嬢にパスワードを発行してもらい、モニターの前に座ります。1人、1日2時間まで、無料で閲覧できるとのこと。さて、目指す「ポンポン大将」は、見られるのかしら…。

………残念ながら、ありませんでした(泣)。
受付嬢によると、データ化されている番組は、現在、約1000本なのだそうです。図書室にも行ってみましたが、昔の番組のスチールを、ファイルしたようなものは蔵書になく、こちらも空振りに終わりました。

やはり、初期のテレビ番組ですから、映像や写真は、ほとんど残っていないのかもしれません。とても残念でしたが、展示は面白かったですし、気を取り直して、付近をお散歩することにしました。
(NHK放送博物館のHPはこちら

FI2617649_3E.jpg順序が逆かもしれませんが…博物館を出てすぐの、愛宕神社にご挨拶。

創建は慶長8年(西暦1603年)、江戸を火事から守る、防火の神様として祭られたとのことです。
(愛宕神社HPはこちら



FI2617649_4E.jpg参拝を終わって、境内にあるささやかな泉水を見ると、なんと、一艘の小型和船が、藤棚の下に置いてあるのを発見! 
伝馬舟らしい、二棚造りの小さな舟ですが、見たところFRP被覆もしておらず、構造も純粋に近いようです。「ポンポン大将」を見ることができず、沈んでいた気分が、この舟を眼にしたことで、だいぶ持ちなおしたのですから(笑)現金なものですね。

しかし、何に使う舟なのでしょうか。池のお手入れに使うのかな、とも考えたのですが、池は小さく、玉網のついた竿でもあれば、充分手が届く広さです。きっと、神事に必要なのだろう、と一人合点して、家に帰ってから愛宕神社のHPをのぞいてみましたが、とくに池や舟に関する由来は、書いてありませんでした。

この泉水と舟を目にして、真っ先に思い浮かんだことが二つ。
落語の「頭山」と、「船頭多くして、船、山に登る」ということわざです。愛宕山は、東京では珍しい、お饅頭のように独立した山ですが、その山のてっぺんの狭い土地に、小さいながら池があるというのは、ちょっと表現しにくいのですが、なんだか奇妙な感じがして…。「あの『頭山』にモデルがあるとしたら、こんなところではないのかなあ」と、思えたのです。
「船頭多くして…」は? 関係があるのは、「山に登る」だけですね…。船頭はいませんが。あ、一人いたな、自分が…(笑)。わけがわからなくなってしまいました。申しわけないです。

舟を運び上げるのも、水を導くのも、現代ではたやすくできることですが、江戸の昔からこの舟や池があったとすれば、水や舟を運び上げるのは、さぞ大変だったに違いありません。

FI2617649_5E.jpg愛宕山の急な石段を降りて、新橋、東京駅と、ほてほてお散歩をしていたら、いつの間にやら(笑)東京最古の石橋、常磐橋に到着。

「日本橋川落ち穂ひろい…5」で訪ねたときは、更地だった船着場横の護岸沿いに、あっというまにビルが建っていました。やっぱり…。常磐橋越しにそびえる日本銀行の威容は、なかなか重厚でよい風景でしたが、実に短い命でありました。
撮影地点のMapion地図

(19年2月11日撮影)