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吸い寄せられる場所…2

FI2617593_1E.jpg(『吸い寄せられる場所…1』のつづき)
陽光に輝く、美しい東京港の出船入船を楽しみながら、食事をしていると、眼下の水面に、大好きなマルコ・ポーロが! 思わず窓辺に駆け寄っての一枚。

波頭が白く見える強風下を、しずしずと落ち着き払った様子で出港してゆく、マルコ・ポーロ。休日にもかかわらず、お客さんの姿が見えませんが、もう降ろしたあとなのでしょうか。

FI2617593_2E.jpg食事を終わって、左舷のベランダに出ると、冷たい強風が頬を刺します。

秋の澄んだ空気のおかげで眺望は素晴らしく、羊蹄丸と、コンテナ埠頭のクレーンの向こうには、東京湾アクアラインの「風の塔」、房総の山々もくっきりと見渡せ、胸のすくような風景を、楽しむことができました。

FI2617593_3E.jpg腹もくちくなったことだし(笑)、落ち着いて見て周るとしましょう。
まずは宗谷から…。

あ、もう涙腺がゆるんできた(泣笑)。



FI2617593_4E.jpg宗谷の船橋に上がり、操舵席周りを見たところです。

青竹色に塗られた従羅針儀や、舵角指針器や各種の圧力計が、こまごまと付いたテレモーターには、立派な木製の舵輪が取り付けられ、その手前床上には、舵手の立ち位置であるグレーチング(木の格子)が敷かれるなど、この時代の船らしい、魅力がいっぱいの一角です。

現在は、護衛艦といえども、艦橋上ではイスに腰掛けての持ち場が、多くなっていますから、この時代の船乗りの忍耐強さ、精神力は、まったく頭が下がるばかりです。

FI2617593_5E.jpgテレモーターの左舷側にあった、真鍮製の説明書。構造図と、メンテナンスにあたっての注意事項などが書かれています。

宗谷を訪れて、いつも感心するのが、このような真鍮の部分が、絶えずピカピカに磨き込まれていることです。ネジ頭などの凹部に、白い粉が少し付着していることから、「ピカール」などの水性研磨剤で、磨いているのでしょう。

メーター類の枠や伝声管の開口部、各部屋の名札、扉の金具類と、プラスチックやアクリルの貴重だった時代、潮気にさらされる船上の部品には、なんと真鍮製品の多かったことか。丁寧に磨かれたこれらの輝きが、再認識させてくれるようですね。

(18年11月12日撮影)

(『吸い寄せられる場所…3』につづく)