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平成6年・塩浜のバラックマリーナ

FI2351953_0E.jpg以前、平成6年夏に、京葉線・市川塩浜駅近くの「船モドキ」に惹かれるものがあり、旧愛艇でわざわざ訪ねたことを紹介しましたが、その折、すぐ横にあった、小さな私設マリーナに、一晩お世話になりました。
今もあるのかどうか、近くにいながらこちら方面に縁がないので、確認していませんが、こちらも「船モドキ」に劣らず強烈な印象でしたので、ここで改めて紹介したいと思います。

当時の手帳を見ると、どうやらここを訪れたのは、8月3日だったようです。
浅瀬を避けて東方に大回りし、「船モドキ」の周りを回って堪能したのち、時間も遅くなったので、こちらに碇泊させてもらえないかしらと、泊地の中に入りました。
ブイに繋がれたフネブネの間を、こわごわすり抜けていると、桟橋で作業中の男性から、「オーイ!こっちへつなげ!」との声が。
桟橋に達着して、フト前を見ると、同型艇の改造タイプが…。いきなり親しみをおぼえました。

FI2351953_1E.jpgもやいを取ってくれた男性は、禿げ頭で、全身赤銅色に日焼けした、潮っ気たっぷりの雰囲気。「こっちへお入りなさい」と、案内されるまま、雑然とした桟橋を抜け、護岸を上がって管理小屋へ。

護岸の上から、振り向いて撮ったのがこの写真ですが、碇泊しているフネ、フネ、船体は日焼けし、ウォーターラインには海藻がつくなど、みんなイイ感じにくたびれていて、当時すでにポンコツ寸前であった旧愛艇も、すっかり溶け込んで(笑)、まるで昔からここに碇泊していたようです。
でも、桟橋はもうちょっと、片付けてほしいなあ…。

FI2351953_2E.jpgこれが管理小屋です。「不法投棄防止会」「番屋」「夜間パトロール中」などと壁に書かれた、ベニヤにブルーシートをかぶせたもので、まさにバラック…。

左にあるドアから、中に招き入れられると、窓も明かりもない部屋に、テレビだけが光っていました。発電機の音がするところから察するに、電気が来ていないのでしょう。
冷たいサイダーをふるまわれながら、ご主人の話を聞いていると、「こうやってアンカーを打ってブイを固定する。ブイの設置費と年間使用料で××円…」と、図面を見せながら説明し始めたのにビックリ。私が年間契約で係留しに来たと、勘違いされていたのです。
「一泊だけ、係留させていただきたいんですが…」と恐る恐る切り出すと、「なあんだ、じゃタダでいいよ!」拍子抜けしました。

FI2351953_3E.jpg管理小屋の周りには、護岸に沿っていくつかの陸置艇がありました。上下架施設が見えないので、どうされているのか質問すると、「用があるときだけ、クレーン車を呼んでくる」とのこと。ナルホド。
こちらも色あせた艇に、草むした周りの風景がマッチ(?)して、鄙びたというか…場末の雑然とした感じです。

「番屋」のご主人は、このマリーナ?の管理のほか、ゴミや廃船の、海岸への不法投棄を監視するのが主なお仕事で、地方自治体からの許可?ももらっていると、説明してくれました。真偽は分かりません。
ほかにも、いろいろなお話をしてくださったと思うのですが、何分、12年も前のことですので、詳しいことは、残念ながら忘れてしまいました。
ただ、あの暑かった夏、「船モドキ」と同じくらいの「?」な印象は鮮やかで、今でもあんな雰囲気で、ノンビリとマリーナ業?をやっているのかなあ、と思うと、なんだか面白い気もします。

(『続・船モドキ』につづく)