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新芝川…3

FI2066114_0E.jpg(『新芝川…2』のつづき)
芝川マリーナの前まで来ました。落ちついた感じの装飾が施された、なかなか瀟洒な水門です。中をのぞいて見ると、係留ではなく、上架保管のようですね。

芝川マリーナのサイトはこちら。中川の支流、大場川にある、大場川マリーナとともに、埼玉県河川公社が運営しています。内陸河川のマリーナというのも、水路好きにとっては魅力的な存在ですね。


FI2066114_1E.jpg満潮のゆるい逆流に乗って、入谷大橋にさしかかりました。
水深・水路幅ともに申し分なし、風を受けなければ暖かなので、静かな川面と相増し、鼻歌が出そうな順調さです。

ところが、マリーナを過ぎると、釣り人の姿がちらほら見られるようになりました。
釣り糸を引っ掛けては大変と、ウェイト要員としてバウに乗ってもらっているD君と、スターンのI君も見張ってくれますが、相手が透明な釣り糸だけに、容易ではありません。

棹が、岸に立っているのを発見すると、釣り糸がどこに入っているかを探すのですが、幸い満潮時のわずかな逆流で、糸の周囲にかすかな引き波が立つので、近づけばなんとかわかります。
このあたりから、両岸の法面には草が生い茂った部分が多くなり、接近するまで、棹や釣り人の姿をみつけるのは、難しくなってきました。
「すいませーん、通りまーす!」と、声をかけつつ、デッドスローで進みます。
撮影地点のYahoo地図

FI2066114_2E.jpg白鷺橋の先に、屈曲部が見えはじめました。あそこを曲がり切ると、川口オートレース場のそばにある、新旧芝川の分流点まで一直線です。
バウに座るD君の頭越しにみる水面は、鏡のようで、空も雲ひとつ無い快晴という、一見のどかな映像ですが、釣り糸を避けつつ、頻繁に舵を切って進むので、実はかなり緊迫している最中の一枚なのです。

その時、D君が「あ!」という小さな叫び声を上げ、空を掻くような仕草をしました。ジャラジャラと大げさな鈴の音がして、しなった棹が、藪の中から顔を出しました。ついにやってしまったようです!

FI2066114_3E.jpg引っかかった釣り糸を、外そうと慌てていると、鈴の音を聞きつけたのでしょう、濃い藪をかき分けつつ、もの凄い勢いで、おじさんがすっ飛んできました。
「あ~あ~、ボートなんかで入ってきやがって!」
怒り心頭といったご面相で、怒鳴られてしまいました。

「申しわけありません、今外しますから…」3人で平謝りしつつ、前後進を繰り返して、ペラに糸が絡まないよう、糸を持ち上げますが、なかなか上手くいきません。その間、おじさんにはたっぷりとお説教をされてしまいました。

「まったく、ようやく潮の具合が好くなって来たってえのに…。」真っ赤な顔をしたおじさんに怒られながら、意外と太い釣り糸を、ようやく外すことに成功。
「どうも、申しわけありませんでした。気をつけてはいたのですが…」と皆で頭を下げると、おじさんはそれをさえぎって、
「おまえら、まだ上まで行くのかい? これからあと5本は棹を出すから、おまえら帰れなくなるぞ!!」
う~ん、そこまで言われたら、帰らざるを得ません。残念ながら、写真の鳩ヶ谷大橋を前にして、引き返すことにしました。

おじさんのいるところから離れたとき、D君がボソリと一言。
「あそこ、一応、立ち入り禁止だと思うんですがねえ…」
まあ、既得権と言うところでしょうね。いずれにせよ、よそ者が大きな顔はできません。新芝川の攻略は、他日を期すことにして、新河岸川に転進することにしました。

(17年11月13日撮影)
撮影地点のYahoo地図

(『新河岸川…1』につづく)