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お花見は曇り空だったけれど…2

(『お花見は曇り空だったけれど…1』のつづき)
FI2618015_1E.jpg朝潮運河から、月島川をのぞいてみると、これまたイイ感じです。

ヨットのマストに触れんばかりの、満開の桜…。落花のたゆたう、静かな水面に浮かぶフネブネも、心なしか嬉しそうに見えます。



FI2618015_2E.jpg月島橋をくぐった先は…おお、これまた見事。

なじみの水路にもかかわらず、桜の時期を逃してばかりいたものですから、まるで、初めての場所に来たような、新鮮な感動がありました。
撮影地点のMapion地図

FI2618015_3E.jpgまだ午前中、早い時間ということもあり、水辺は人影もまばらで、実に静かです。

お花見というと、賑やかな場所という先入観が染み付いていましたから、ちょっと不思議な気持ちすらするひとときです。



FI2618015_4E.jpgここでまた「ひゅっ」と、音を立てて気持ちが「花より団子」モードに。

雑然とした一角にもやわれている、痛ましい姿のキミは、あの朝潮運河にもやっていた、「電話ボックス」君!
最近、姿を見ないと思ったら、こんなところに連れてこられていたのか…。
(といっても、元の位置より、数百m移動しただけですが)

FI2618015_5E.jpg周囲の雰囲気のせいか、最後に見たとき(過去の記事『19年度川走り納め…5』参照)より、さらに痛々しい姿になったような気が…。もう現役は引退したのでしょうか。

哀れなその痛み具合に、何だか愛おしくなって、思わず船縁をぐっと寄せて撮ってあげました。
元気でいるんだよ…。
撮影地点のMapion地図


(20年3月30日撮影)

(『お花見は曇り空だったけれど…3』につづく)
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お花見は曇り空だったけれど…1

FI2618014_1E.jpgそんなわけで、先週23日の雪辱戦?として、曇天をついての、水辺の桜めぐりです。まあ、花より団子と申しましょうか、桜そっちのけで、ココロ惹かれたモノに吸い寄せられることもしばしばなのは、いつものとおりですが…。

おなじみ運河の五叉流(交差点中央部の水面まで、東雲運河だそうです)で、桜を見つけつつも、はなから引っかかる物件が。
浚渫船でしょうか。ブームの先に吊り下げている、ドリルらしきものに、目線が釘付け…。
撮影地点のMapion地図

FI2618014_2E.jpg浚渫船に意識を奪われつつも、桜もしっかり撮影。

東雲運河と、辰巳運河の分流点であるここは、確か、日経新聞の敷地。ビル周囲の緑地に、桜を配する気遣いが嬉しいです。



FI2618014_3E.jpg豊洲運河に入り、朝凪橋を過ぎると、また一群が目に入りました。

臨港線廃線跡の橋脚近く、背景に見えるマンションの敷地内と思われます。なかなかボリュームのある桜群です。
撮影地点のMapion地図


FI2618014_4E.jpg海洋大学前の水面(春海運河と、隅田川派川の一部)を左に折れ、佃水門から、朝潮運河に入りましょう。

あいにくの空模様ではありましたが、風は穏やかで波もなく、快適な航行です。



FI2618014_5E.jpg朝潮橋橋詰近く、晴海中学校の水際には、枝を重そうに水面に垂らした桜並木が…。

舷側を岸ギリギリまで寄せて、咲きっぷりを愛でたものでした。
撮影地点のMapion地図


(20年3月30日撮影)

(『お花見は曇り空だったけれど…2』につづく)

3月30日の桜速報

FI2618012_1E.jpg本日は、午後から天気が崩れるとの予報を受けて、少しだけ早起きし、先週に引き続いて、懲りずにお花見航行をしてきました。
道々のお話は、のちほどご覧いただくとして、まずは各地の咲きっぷりをかいつまんで…。

中央区、浜離宮前堤防。
早い時間に入ったせいか、お花見の船影もなく、静かに楽しむことができました。

FI2618012_2E.jpg品川区、目黒川。

先週の、つぼみの状態の写真と見比べると、当たり前ですが、その満開ぶりが際立って、嬉しさもひとしおです。




FI2618012_3E.jpg中央区、隅田川畔、佃島。

あいにくの天気だったのが、ちょっと残念でしたが…。
咲き誇る無慮大数の桜を前に、これほどお花見の名所が集中している、東京の水辺とはなんと、行き届いた場所なんだろう…なんて、柄にもなく感動してしまいました。


FI2618012_4E.jpg台東区、隅田公園。

水辺のお花見のメッカは、フネブネで大賑わいでした。
木っ端ブネの我が艇は、絶え間ない引き波でガブられっぱなし…ここにたどり着くだけでも、万里の波濤を乗り越えた(笑)気分になったほどです。


FI2618012_5E.jpg江東区、大横川(旧大島川)。

やはり、一番素晴らしいと思えたのは、ここです。
本日も先週同様、櫓走でのお花見を楽しんできました。



(20年3月30日撮影)

■「風に吹かれて-Blowin' in the Wind-」の、「TB企画:あなたの撮った2008年の桜を見せてちょーだい!」に、トラックバックさせていただきました。

モーターボートに、櫓

(『桜探しに出かけてみたら…9』のつづき)
…というわけで、一応、高速滑走船型のはしくれである我が艇に、櫓をつけるという、蓮っ葉なことをしてみました。

何度か触れたように、和船好きとしても、櫓という推進具に惹かれるものがあり、和船の所有がかなわないのなら、せめて櫓だけでも、思うさまいじってみたい…という気持ちが、昔からあったのです。

このご時勢ですから、現在も櫓をあつらえてくれるところなど、なかなか見つかりません。
一時は自作も考えたのですが、一年ほど前、たまたま、櫓の受注製作をしている船具店、「松令三商店」を知り、喜び勇んで、メールで問い合わせてみました。

モーターボートに櫓をつけるという、私の無茶な要求にもかかわらず、「夢のある話だ」と興味を持っていただき、一緒に取り付け方を考えてくださるなど、とても丁寧な応対だったので、長年の夢をかなえようと、お願いしてみることにしたのです。

FI2618010_2E.jpgこれが、我が愛しの櫓、全体像です。

櫓刃(ロバ。ロシタとも)と呼ばれる、水に入る部分は長さが3m、手前の太い櫓腕(ロウデ)は、バランスウェイトと握りを兼ねた部分で、長さ1.5m、合計した全長は4.5mあります。梱包を解いた直後は、「こんなに大きいもの、うまく扱えるかなあ…」、というのが第一印象でした。

ムクの樫材から削り出したものですから、当然ではありますが、ずっしりと重く、慣れるまで取り扱いに難渋したものの、さすが旧海軍御用の職人さん、肌触りもなめらかで、いっぺんでほれ込んでしまう素晴らしさでした。これで、熟練者なら、数tの積載量がある舟を、難なく取り回せるのですから、櫓の生み出す推進力というのは大したものです。

FI2618010_3E.jpg購入の決め手は、何と言ってもこの、ロバとロウデが、工具なしで分解できる構造にありました。
製造元の商品名では「簡単脱着式櫓」と呼ばれており、ご覧のナット一個で、分解・組み立てが容易にできるのです。ナットは落としてしまわないよう、スイベルを介して鎖で結んであるのも親切です。

寸法を見てみると、ロバは甲板上に斜めに立てかければよく、ロウデはカディ(船室)の中に入るので、艇内へ完全収納できることがわかりました。

FI2618010_4E.jpg支点となる鉄製の櫓杭(ログイ、ロベソとも)は、なじみのボートサービスに依頼して、トランサム(船尾)の左舷寄りに取り付けてもらいました。

ログイの先端は玉状になっており、これが鋳鉄製のイレコとがっちり噛み合い、私のような初心者が漕いでも、抜けて櫓を流したり、漕ぎ手が落水したりしないように工夫されています。

この構造は、旧軍で、櫓の経験のない兵隊さんでも、短期間で漕ぎ方を習得できるよう、考えられたものだとか。

ちなみに、陸海の自衛隊でも、一部で櫓漕の訓練は行われています。海上はともかく、なぜ陸上が? と思われるかもしれませんが、施設科部隊(工兵)では、渡河作戦の必要があるためで、基本の一つとして、旧軍時代から櫓漕を教えているそうです。
実用ではすっかり減ってしまった櫓も、自衛隊が止めない限り、需要が絶えることはなさそうですね。

なお、通常の櫓は、以前もご紹介したこの道の大先達、新考案の櫓を研究・自作されているGL-Laboの、「本物の『櫓‥実物と妙技』をこの目で見る」で、掲載されている写真にあるように、ログイは位置決めのためのものに過ぎず、イレコの曲面全体で、荷重を負担するような構造になっており、私の櫓とは、かなり仕組みが異なるのです。

和船友の会の、会員の方のお話では、私の櫓のような型のログイ/イレコは、関東ではあまり見られず、瀬戸内など関西に多いようだ、とのことでした。なるほど…。

FI2618010_5E.jpgまあ、そんないきさつで、櫓つきモーターボート就航とあいなり、さっそく水路行の道々に、練習に励むこととなりました。写真は、旧中川での練習風景です。

櫓の取り付けを考え始めたころから、モーターボートの船型が、櫓漕に適さないことは、容易に想像できました。
長さが短く、幅の広い船体は方向安定性に欠けるでしょうし、船体前半に、フロントグラスとカディが立ち上がっているときては、風圧側面積をかせいでいるようなものだからです。

実際に漕いでみると、方向安定はともかく、風の影響はかなりのもので、微風でも船首がたちまち風落し、しかも一度回されると、艇が重いということもあり、私の乏しい腕力(泣)では、保針すら難しいのです。
小型和船が、風の影響を受けないよう、舷側を低く均一にしており、また水の抵抗を少なくし、直進性を良くするため、縦横比の大きい、細長い船体である理由が、身をもって理解できました。

こうなると、練習できる場所も限られてきます。この約1年、方々で漕いでみて、我が艇の櫓走に適した水路は、以下のようなところだというのがわかりました。

①直線区間が少なく、カーブがあって見通し距離の短いところ。
②幅があまり広くなく、両岸は高い土手や建物が続いているところ。
③流れがなく、動力船の通航が少ないところ。

真っすぐで幅の広い水路は、それだけ風の通り道になりやすいので、うまくありません。風除けとなる建物がないのも考えものです。流速が速いところ、引き波があるのももってのほか…イヤ、わがまま放題の子供みたいなヘタレぶりですが、ミスマッチ満載の櫓走艇としては、致し方ありますまい。

この条件にかなう水路は、旧中川、大横川(旧大島川の区間)、汐浜運河の東端部などで、特に旧中川が良かったのですが、日曜・祝日は閘門がお休みで、入れないのが痛いところです。

そんな面倒はあるものの、櫓漕を始めてからは、なじみの水路も、櫓走のしやすさといった視点で見るようになり、機走している時とは、また違った世界が広がったように思えます。
ロウデの滑らかな手触りに陶然となり、ハイオ(櫓の跳ね上りを押さえる綱)のきしみに、押送舟や小早など、江戸の櫓走舟に思いを馳せる、静かで、幸せなひとときです。

(19年5月13日~9月24日撮影)

(この項おわり)

桜探しに出かけてみたら…9

(『桜探しに出かけてみたら…8』のつづき)
FI2618009_1E.jpg油断していたら天罰てきめん、ほうほうの体で姿勢を立てなおし、屋台で賑わう黒船橋をくぐって、さらに櫓漕で前進。

洲崎南水門近くの船宿、吉野屋さんの、スマートなエンジン付き和船に行き合いました。こちらは小名木川、高橋船着場まで往復するという、水路の魅力を、存分に味わえそうなコースを走ります。一度乗ってみたい舟です。

FI2618009_2E.jpgいかにも収容力のありそうな、自航ポンツンタイプの艇にも出会いました。旧商船大からのコースでしょうか。
う~ん、これも乗ってみたい…。いや、どちらかというと、舵を取ってみたい気持ちです。

こうして、行き合うフネブネと、挨拶を交わしつつ進むのは、本当に楽しいものですね。

FI2618009_3E.jpg巴橋の手前で、黒い塗装も真新しい、センターコンソーラに追い越されました。

追い越しざま、艇長が「うまいもんだねえ!」と声をかけてくれました。
「いやあ、まだまだです…」褒められたからって、今度は油断しないゾ! 風向きに注意して、押さえ、控え、押さえ、控え…。(櫓を押す動作を『押さえ』、引く動作を『控え』と呼びます。)
撮影地点のMapion地図

FI2618009_4E.jpg岸から声をかけてくれたのは、笑顔が素敵な芸人さんたち。さくらまつりに、お仕事に来たのでしょうか。

歩きながら、ずっとこちらを見ており、櫓に興味を持たれたようで、あちらから話しかけてくれました。
「それ、手作りなんですか?」
「いえ、売っているものです。注文すると、作ってくれるんですよ」
カメラを向けると、桜の下でピースを決めてくれました。お仕事がんばってくださいね。

FI2618009_5E.jpgあっ、水面に張り出した枝に、何輪か咲いている桜が…。

櫓漕でゆっくり進んだお陰か、こんなささやかな咲き具合も、見落とさずにすみました。櫓、さまさまと言ったところでしょうか。


(20年3月23日撮影)

(『モーターボートに、櫓』につづく)