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佐原と小野川…5

FI2617643_1E.jpg(『佐原と小野川…4』のつづき)
小野川遊覧のあとは、佐原の街をぶらぶらお散歩。幕末期の建築物でいまなお現役という、古いものもいくつかある、忠敬橋周辺の街並みは特に興味深く、歴史の重みにのぼせた(?)のか、たくさん買い物をしてしまいました(笑)。

さすが、郷土の偉人の名をいただいた忠敬橋、橋詰には、伊能忠敬の使用した測量器具、象限儀をかたどったシンボルが見られました。
おや、象限儀の根もとに、なぜかマフラーが…。誰が巻いたのでしょう?

FI2617643_2E.jpg中央の商標の処理など、意匠が見事な看板建築、蜷川家具店。

私の生まれた街にも、かつてはこのような看板建築が建ち並んでいたので、懐かしいと同時に、美しい状態に保たれていることが、とても嬉しく思えました。
撮影地点のMapion地図



FI2617643_3E.jpg蜷川家具店のはす向かいにある、佐原三菱館。近代建築ファンはよくご存知でしょう、小ぶりながら、青銅製のドームを冠した、風格のある洋館です。

旧三菱銀行佐原支店として使われていたレンガ館で、千葉県の指定文化財でもあります。大正3年(西暦1914年)完成、当初は川崎銀行佐原支店だったとのこと。
佐原に川崎銀行が置かれたのは、明治13年(西暦1880年)と早く、東京日本橋の本店と、ほぼ同時期の開設だそうです。当時の佐原が、下利根の物資集散地として、商業の盛んな街であったことを実感させます。
撮影地点のMapion地図

FI2617643_4E.jpg無料公開されている、三菱館の中に入ってみました。こちらも、なかなか重厚な雰囲気ですね。

二階があるものと思いきや、なんと回廊があるのみの、吹き抜け状態なのに驚きました。そういえば、今のように自動預払機が並ぶ以前、古い銀行に入ると、このような天井の高い建築が、多かった印象があります。

ちなみにこの隣には、やはり旧三菱銀行の建物である、「佐原街並み交流館」があり、観光休憩所を兼ねた、展示スペースになっています。
分厚い扉もそのままの、もと金庫室を利用したスペースでは、利根川の水運で使われた舟の模型や写真、高瀬舟の舵の実物などを並べた、小特別展が催されていました。

FI2617643_5E.jpgいまひとつ、気になったレンガ建築を…。

樋橋の近くにある、細い道を歩いていたら、塀越しに四角いレンガの煙突を発見。
最初は、煙突の向こう側にある建物に、設けられたものだと思ったのですが、よくよく見ると、板塀のこちら側に立っているようです。
すでに建屋は壊され、煙突だけが残ったのか、最初から独立していたのかはわかりませんが、さて、どのような用途に使われていたのでしょうか。


(19年1月3日撮影)

【2月15日追記】5段目、誤記を訂正しました。

(『伊能忠敬記念館』につづく)

【追記】はりまんさんのブログ「The Flying Hariman (さまよえるはりま人)」の「レンガのある風景(再訪) ~ 煙突 (たつの市中部)」に、トラックバックさせていただきました。

佐原と小野川…4

FI2617642_1E.jpg(『佐原と小野川…3』のつづき)
忠敬橋近くまで戻ってきました。積み石の護岸を開いて、ぽつり、ぽつりと千鳥に配された、「ダシ」の間隔が絶妙です。

建物も、決して古いものばかりではないのですが、間口や高さが揃っているせいか、街並みに落ち着きがあり、実にいい雰囲気ですね。

護岸ぎりぎりまで、高いビルが建ち並ぶ水路を、走ることが多いものですから(そうした風景も、嫌いではないのですが)、岸辺に道があり、建物が一歩退いていることは、絶大な効果があるものだと、再認識しました。水面からの視界が、ぐっと広くなるばかりか、岸を歩く人からの視界にも、つねに川があり、建物の密集地であっても、景観にゆとりが生まれます。

FI2617642_2E.jpg「ダシ」のアップです。護岸が整備されるに従い、一時は全く見られなくなったこの「ダシ」も、最近になって数ヶ所が復元され、昔のように、水辺に下りてみることができるようになりました。

階段の石材が新しかったり、護岸の切り取り箇所が目立ったりと、よくよく見れば、新設したという感じはするものの、素朴な雰囲気はよく出ています。舟からの眺めとしても、単なる護岸の連続より変化があって、ぐっと楽しくなるものですね。「岸に拒否されていない」(?)という、安心感があるからでしょうか。

FI2617642_3E.jpg苔むした護岸を眺めていると、石垣のちょっとした出っ張りに、しがみついて穴の奥を懸命にのぞき込む、ハト君たちを発見。何がそんなに気になるのでしょう?

「オイ、早く行けよ」
「いやだよ、暗くて怖いんだもの」
という会話が聞こえてきそうで、こっちまで気になってしまいました(笑)。

FI2617642_4E.jpgタイトルの遠景にも写っていますが、「ダシ」の横に河岸棒を打ち、サッパ(ご当地で多用された農舟)が繋がれていました。

もちろん実用に供するものではなくて、ストラクチャーではあるものの、やはり舟があるだけで、川景色が活き活きとしたものに感じられるから、不思議なものです。

FI2617642_5E.jpg樋橋の船着場に戻り、船頭さんたちにお礼を言いいつつ舟を下りてから、少し上流にお散歩すると、遊覧船の舟溜りがありました。今は閑散期だからでしょう、実働しているのは2隻で、ほとんどの舟が係船されています。

船頭さんの話によると、佐原本宿(小野川東岸)の鎮守様・八坂神社の7月の山車祭には、街中の道路からクルマを締め出して、観光客の輸送は、全て舟で行うそうです。これらの舟たちも総出で、ピストン輸送に携わるのでしょう。その熱い活躍ぶりを、一度見てみたいです。

小野川の遊覧船を運航する、㈱ぶれきめらのサイトはこちらです。
撮影地点のMapion地図


(19年1月3日撮影)

【2月15日追記】5段目、誤記を訂正しました。

(『佐原と小野川…5』につづく)

佐原と小野川…3

FI2617641_1E.jpg(『佐原と小野川…2』のつづき)
新橋の上流に繋がれていた、遊覧船とおぼしき舟。どうやら、現在は使われていないようです。
縦横比の大きな、細長い船体や、水押の感じが和船らしくて、悪くない舟だと思うのですが、この大きさでは団体さん専用になってしまい、小回りがきかないことから、活躍の場が限られたのでしょう。

向こうのコーヒーカップ…あれも船なのでしょうか?

FI2617641_2E.jpg簡素な鋼桁橋、新橋です。周囲の土地が低いせいか、橋詰の取付け道路を坂にして、桁下高をかせいでいるのがわかります。

コーヒーカップ、どう見ても船のようですが、あんなまん丸の船体で、ちゃんとまっすぐ進めるのかしら…水線下に安定ヒレでもついているのかな?
初めて見る形の船なので、すごく気になります。
撮影地点のMapion地図

FI2617641_3E.jpg今回くぐった橋で、最も魅力的だったのが、この万代橋です。
コンクリート桁橋ながら、いい感じに古びて、苔むした石橋の風情すら感じさせますね。

わずかではあるものの、中央径間が中高に造ってあり、また桁の厚みを薄くしてあるなど、水運優先らしい造作が見られます。昔、水郷のエンマにかかっていた板橋が、そのままコンクリート化されたような、そんな印象を受けました。
撮影地点のMapion地図

FI2617641_4E.jpgクルマが頻繁に往来する、コンクリート桁橋が見えてきました。国道356号線・利根水郷ラインを渡す、北賑橋です。

水辺に古い建物が見えなくなり、岸が少し低くなるにつれ、川幅も広がってきました。


FI2617641_5E.jpg北賑橋をくぐったところです。今までと違って、プレジャーボートの繋留が見られるようになりました。河口が近いのでしょう。

遊覧コース図によると、小野川水門をくぐって、河口部にある洲、「タヌキ島」を一周して戻る…はずだったのですが…。
「今日は風が強く、風向きも悪いので、利根川に出ると危ないですから、悪いけどここで引き返します」と船頭さん。ううう…、水門、見てみたかったなあ。残念ですが、仕方がありません。
この先の左岸にある、かつての運河・十間川も見たかったのですが…。捲土重来!また来てやるさと、心の中で息巻きつつ(笑)、小野川を遡りました。
撮影地点のMapion地図

(19年1月3日撮影)

【2月15日追記】5段目、誤記を訂正しました。

(『佐原と小野川…4』につづく)