FC2ブログ

京浜運河を散策する…5

FI2564759_0E.jpg(『京浜運河を散策する…4』のつづき)
記事のタイトルを変えようかな、と思ったのですが、東京側も同じ京浜運河ということで、このまま行かせていただきます。(不精者ですね…)

お次は池上運河へ、と思ったのですが、風も弱まらないし、早めに帰港した方が良さそうかな…と、次の機会にとっておくことにして、舵を大師運河へ。
強烈な追い風でスターンが振られる上、同航する本船や曳船もあり、ウェーキにも悩まされて、頻繁に当て舵をとりつつ進みます。
撮影地点のMapion地図

下の写真は、往路にも通った多摩運河から、多摩川を下るタンカーを撮ったものです。
潮干狩りでしょうか、干潟に立つ人々のバックを、タンカーとモノレールが過ぎ行く、絵画的な風景に撮れましたが、ここをフネで通る身としては、川の中央まで広がる干潟(往路より潮が引いたので、干潟が大きくなっています)が恐ろしく、タンカー乗員の緊張もいかばかりかと思うと、とても笑っては見られない一枚です…。

FI2564759_1E.jpg海老取川を抜け、羽田の干潟水路に戻ってきました。こちらの干潟も、砂地をくろぐろと露出して、すっかり一人前の陸地みたいな顔をしています。
今度時間があったら、ビーチング(船首を浜にのし上げること)してみようかな…。昔、相模湾にいたころはよく、砂浜にビーチングをして、海水浴をしたものでした。

下写真は、橋名の板が落ちて「□和橋」になってしまっていますが、京和橋です。昭和島と京浜島を結ぶ、東京側の京浜運河の第一橋です。
ここまで来ると、風もさえぎられたのか、だいぶ操船が楽になりました。
撮影地点のMapion地図

FI2564759_2E.jpg大井埠頭と、平和島の間に入りました。

風もほどよくさえぎられ、行き会い船の姿もなく、口笛でも吹こうかというくらいの気楽さで、京浜運河をノンビリ進みます。
遠方に見える橋は、環七通りの大和大橋。まもなく右手に、中央海浜公園が見えてきます。

FI2564759_3E.jpg大井競馬場の近くまで来ると、先ほどもお話ししたプッシャーバージに行き合いました。

東京都のマークのついた、コンテナが満載されたバージを、背の高いキャブを持つ曳船が、後ろの凹部にはまるようにして、押しているのが見えるでしょう。
この曳船も、先ほどのノッポさんと同様、キャブが高くしてあって、バージを押していても、前方が見通せるようになっています。
こちらはキャブの取りつけ方が、まるでアゴを出しているようにも見え、いかにも力みかえって、ウンウン言って押しているようで、おかしくなりました。

(18年5月1日撮影)

【20年1月14日追記】 「羽田の干潟水路」の西半分は、平和島運河の一部だそうです。

(『京浜運河を散策する…6』につづく)

久々に川走りの記事が!

FI2561019_0E.jpg京浜運河のお話の途中ですが、久しぶりに本の紹介を、させていただきます。

ヨット・ボートの雑誌については、興味のある記事が載っていたら買う程度で、あまり熱心な読者でないのですが…先日、月刊「オーシャンライフ」誌を、本屋さんの店頭で、久しぶりにめくってみたら、まあビックリ。
川走り好きにピッタリの記事が、掲載されているじゃありませんか!
その記事とは、オーシャンライフ6月号(423号)の134ページから始まる、「リバークルージングシナリオ」と銘打った、扉とルートマップを含めると、8ページの記事です。

隅田川の中流から上流、桜橋から岩淵水門に至るまでの、A.P.水深と河底地形を示した断面図に、平面図には浅瀬の位置も図示されており、その上、主な橋梁の構造や、来歴の解説まで、各橋梁の写真と、A.P.桁下高とともに添付されていました。

流路の形状、目標として役立つ橋の写真、橋の桁下高、水深…。必要な情報は全て盛り込まれており、まさに簡にして要を得た構成で、私が以前妄想していた「理想の河川航行参考図」が、ほとんどそのまま具現化されたようで、嬉しい限りです。
橋や水門の解説も、建築士の方が担当しておられるようで、土木専門書の記事並みに詳しく、興味のない方でも、読み物として十分楽しめます。

楽しみながら眺めていると、前回があるような書き方だったので(いきなり隅田川中流部から、始まるわけがないのですが)、連載何回目かと探してみたのですが、扉ページには「連載○回」のような表記はなく、最終ページにも、次回予告はありません。
これでは、何回続いているのか、これからも続けてくださるのかも解らず、少し不安になりましたが、よく探してみると、扉ページ対向の上ハシラに、「リバークルーズVol.3」とありました。まだ始まったばかりのようですね。バックナンバーも早速買わせていただきます。

失礼ながら、気になった点としては、A.P.水深と河底地形を示した断面図には感激したのですが、これは上流側から下流側をみた断面図なのでしょうか?下流から上流に進むかたちで描かれている、平面図(マップ)と対照すると、反転しているように見えるのですが…。何か理由があってのことか、私の間違いでしたらごめんなさい。

あと、岩淵水門の項の文末、「…ヒューマンスケールから逸脱したスケールを感じられる喜びが見る人に感動をもたらすのであろう」の一文で、自分の「質量過剰好き」を思いだし、思わず「感じることは一緒だなあ…」と、一人ニヤニヤしてしまいました。ムフ。

また、西澤信一氏の、川遊び記事の冒頭で、「このところ全国レベルで『川』や『運河』がプレジャーボートの遊び場として注目を集めているようですね」との下り、本当にそうなら、それはそれでご同慶の至りなのですが…。
疑うわけではありませんが、そのような実感の乏しい私としては、根拠となるデータが欲しいのが、正直なところです。投稿を募ったり、アンケートを取られたりしてみたら、楽しいものになるかもしれませんね。

他の記事では、「ヤンマー物語」の、特に前半6ページが、人物伝としても非常に面白かったです。実に読みでのある号でした。

京浜運河を散策する…4

FI2560664_0E.jpg(『京浜運河を散策する…3』のつづき)
田辺運河に入りました。こちらは水路幅もグッと大きく、荷役設備もいくつかあって、本船の出入りが盛んな運河です。
写真上、右岸に見えるJRマーク入りの箱状のものは、JR川崎発電所の一部です。

写真下は、白石運河の東口、左にある、昭和電工の大きなプラントが、工業地帯らしいメカニカルな雰囲気を盛り上げます。

FI2560664_1E.jpg道なり?に右折すると、水路は南渡田運河と名前を変えます。

右岸には荷役中の本船が、左岸にはバージ群がズラリと、まさに港湾運河ここにあり、といった活気あふれる風景です。
撮影地点のMapion地図

FI2560664_2E.jpgガラガラと音がしたので、見てみると、接岸していた緑色の小型タンカーが、出港作業中でした。

ガラガラという音は、キャプスタンで錨鎖を巻き上げる音で、引っ張られてピンと張った錨鎖や、錨鎖口から、泥を落とす海水が勢いよく流れ落ちるさまは、いかにも「さあ行くぞ!」と気合を入れているような、勇壮な感じがします。

FI2560664_3E.jpg地図の上だけで見ると、南渡田運河を直進すれば、池上運河に出られそうな気がしますが…写真のように、川崎駅前から伸びる新川通りと、鶴見線に阻まれて、通航はできません。
しかし…。
撮影地点のMapion地図

FI2560664_4E.jpg…こんなイイ感じの曳船に出会えました(笑)。
ラティス構造の上に、電車の運転台のようなキャブが、鳥の巣箱のようにちょこんと乗っかった、せいたかのっぽ…としか言いようのないスタイルに、目が釘付けになりました!

港湾で働く曳船のブリッジは、自分よりはるかに大きい本船を、押したり引いたりする任務上、おしなべて高く造ってありますが、大きさから見て、艀相手に違いないこのフネが、ここまで極端な構造を採ったのは、おそらくプッシャー(押し船)だからでしょう。(間違っていたら、ご指摘ください)
プッシャーとは、以前ご紹介しました(帰路にも撮ったものがあるので、のちほどご覧に入れます)が、後部に凹みのあるバージにはまるようにして、押してゆくタグボートのことです。

だんびろな青い船体に、白いやぐらを掲げた塗装も魅力的で、働いているところもゼヒ見てみたい、と思いました。
でも、乗っている人は、ちょっと揺れただけでも怖いだろうなあ…。

(18年5月1日撮影)

(『京浜運河を散策する…5』につづく)

京浜運河を散策する…3

FI2560356_0E.jpg(『京浜運河を散策する…2』のつづき)
旭運河の右隣、境運河に入りました。
こちらは運河沿いの係船設備や、建屋も多く、だいぶおもむきが異なりますね。
本船が入ってくるような規模でこそありませんが、繋留船もちらほらあり、静かながら、港の息吹が感じられる一角です。

FI2560356_1E.jpg写真左岸は、油槽所がひしめく「石油の街」であるせいか、消防艇の、朱色の船体が目を引きます。この奥左には、米海軍の油槽所もあるそうで…。
境運河という名称から、県境かなにかかしら、と思っていたら、この運河上に、川崎市鶴見区と、川崎区の区境が走っているとのこと。なるほど…。もっとも、それが名前の元かどうかは解りません。
撮影地点のMapion地図

FI2560356_2E.jpg消防艇、というよりは、放水銃などの消防装備を充実させた、民間の曳船ですね。
朱い船体に、低いブリッジ、放水銃のマストを高々と立てたラインは、俊敏そうでなかなか格好がよく、鍛えられた猟犬のようなおもむきです。

さすがに油槽地帯、内航タンカーの出入りも多いとあって、警戒は厳重ですね。呼び止められるかな、と覚悟したのですが、以外と大丈夫で、拍子抜けしました。

FI2560356_3E.jpg安善運河と対面している、白石運河ものぞいてみました。

上の写真は、境運河から白石運河に曲がる、角のところです。写真左の建物、塔状の部分にクレーンのトラスが設けられており、唐突さというか、奇抜な感じがして、なんだか魅せられてしまいました。

下の写真は、白石運河に入り、鶴見線鉄橋と大川橋を望んだところ。こちらも安善運河にも増して浚渫がされておらず、ご覧のとおりのありさまです。
橋という障害があって、大型バージが通過できないとなれば、運河としての意味は、ほとんどないに等しいのかも知れませんね…。
撮影地点のMapion地図

(18年5月1日撮影)

【追記】1段目本文訂正しました。

(『京浜運河を散策する…4』につづく)

京浜運河を散策する…2

FI2554397_0E.jpg(『京浜運河を散策する…1』のつづき)
旭運河に入ってみました。風向きのせいか波は収まり、水面は平らかで、繋留船もなく、静かなホッとする雰囲気です。

両岸の安善町・末広町は、京浜港周辺では、最も古い埋立地で、この旭運河も大正時代からの、草分けの運河です。
「運河論」によりますと、以前は川崎運河と呼ばれており、埋立地の工場群から八丁畷駅まで、艀輸送の便を図るため、京浜電鉄(現・京浜急行)が、大正11年に竣工させたものだそうです。

現在は、末広橋付近から先は埋め立てられてしまい、往事の長さの半分以下になってしまいましたが、例によって、Googleマップ・サテライト(拡大してご覧ください)で見てみると、運河の痕跡が残されており、コースをたどることができます。
末広橋の上、産業道路のあたりから斜め右に折れ、しばらくして再び斜め左に曲がり、あとは国道15号線付近の終点まで、直進しています。終点はポンド(船溜り)としたため、四角いプール状になっていました。
撮影地点のMapion地図

FI2554397_1E.jpg上の写真は、旭運河の上から、京浜運河方向を望んだ様子、下の写真は、鶴見線・新芝浦駅です。

他の枝運河は、岸壁や繋留設備が並び、船影も賑やかで活気がありましたが、旭運河はご覧のとおり、ひっそりとして、どことなくのどかな感じです。
船の姿は、終端部の船溜りに曳船がもやうくらいで、岸辺の浅いところでは、ここでも漁師さんが貝を採っていました。

左岸は鶴見線で占められているので、岸壁を設けられないという、単純な理由もあるのでしょうが…。新芝浦駅の、田舎の駅を思わせる素朴な風情も、こののどかさを演出するのに、一役買っているのかもしれませんね。
港湾としての運河でなく、かつての、純粋な通船路としての面影がうかがえる運河と言えるでしょう。

FI2554397_2E.jpg旭運河の途中から右に伸びている、安善運河にも、少し入ってみました。

実業家・安田善次郎の名を冠したいかめしさとは裏腹に、右手にバージがもやっているくらいで、こちらもひっそり。

あとで、ここを通り抜けようと思っていたら、中潮の干潮時にあたったこともあり、安善橋の下は長々と砂州が露出して、仮に通航できたとしても、とても近づきたくないような状態です。
橋脚の間隔がこう狭くては、通航できる船も限られてしまい、浚渫も勢いおざなりになるのでしょう。
岸壁もないので、プレジャーボートで遊びに来た際の、泊地としては良さそうでしたが…。
撮影地点のMapion地図

FI2554397_3E.jpg京浜運河に戻ろうとしたら、先ほど海芝浦駅にいた電車が、新芝浦駅に到着するところに出くわし、早速一枚。
考えてみたら、橋以外で、船上から列車をきちんと(しかも、至近で)撮影できるポイントって、珍しいのではないでしょうか。

日中とあって、この駅から乗ったお客さんは、たった一人でした。

FI2554397_4E.jpg旭運河の出口近くまで戻ると、まさにヌッ、といった感じで、運河の幅いっぱいを塞がんばかりに、巨船が入港してきました。
曳船を右舷後方に従えた、コンテナ船のお出ましです!

陽光に白い船体が映えて美しく、大好きな「質量過剰」なシーンに、このあとウェーキに翻弄されることも忘れ、夢中でシャッターを切りました。

(18年5月1日撮影)

(『京浜運河を散策する…3』につづく)