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新河岸川…2

FI2076129_0E.jpg(『新河岸川…1』のつづき)
志茂橋、岩淵橋をくぐり、新荒川大橋の手前まで来ました。
荒川とは、堤防のみを境に、ほぼ接しているような区間ですので、大きな橋は、2つの河川を1本でひとまたぎです。
時間は午後1時ごろですが、秋の日差しだけに、ちょっと日陰に入ると底冷えがします。新河岸川は、南側に建物や垂直護岸があり、ひんやりとした空気を水面に送ってくるので、寒さがますます身にしみるのです。
撮影地点のYahoo地図

FI2076129_1E.jpg新荒川大橋を過ぎると、右岸の堤防上には、美しく紅葉した並木道を見ることができました。D君とI君も「うわあ、キレイだなあ」と、感に堪えない様子で立ち上がり、何回もシャッターを切っていました。

こちらも、新芝川に劣らず、釣り人さんの姿が多いのですが、川幅が広いので、余裕を持って避けられる分、気が楽でした…。

FI2076129_2E.jpg堂々たるトラスをいくつも重ねているのは、東北本線の鉄橋です。

この写真を撮る直前、めったに見られそうもない、茶色い旧型の電気機関車が、たった一輌の荷物車かなにかを従えて、ゴォッと通り過ぎてゆくのに出くわしました。
回送でしょうか? 写真は撮れませんでしたが、何かトクをした気分になりました。

下の写真は、人道橋の、中の橋です。細身のアーチが、静かな水面に倒立した姿を映して、「静謐」とでも表現したくなる風情があり、寒ささえなければ、しばらく艇を止めて見ていたい情景でした。

FI2076129_3E.jpg視界をさえぎるように、横たわる箱状の建物は、川をまたいでプラットホームを設けた、埼京線北赤羽駅です。
手前の浮間橋も、結構な規模のトラスですが、嵩だかなホームが背後にあっては、端正な姿も埋もれてしまっているようで、少々哀れな感じすらします。

浮間橋手前、右岸に防災桟橋が小さく写っていますが、この前を通り過ぎたとき、桟橋上でお弁当を広げている数家族がいて、奥さんたちから「ご苦労さま~!頑張って~!」と、声援を送られてしまいました。…ナニと勘違いされたのでしょうか? 
撮影地点のYahoo地図

FI2076129_4E.jpg北赤羽のあたりから、河道は南へそれ、再び大きく北へと曲がります。今度は右岸に垂直護岸が見えるようになりました。

写真は、浮間と小豆沢を結ぶ、新河岸大橋です。右岸には大平製紙、左岸は取次の栗田出版販売と、印刷や出版流通に関連する企業が、軒を連ねています。
かつては、印刷用紙も、東京港で、本船から小型船に積み替えられ、隅田川・新河岸川をさかのぼって、この地に陸揚げされたのでしょう。
現在は、印刷用紙のほとんどが、千葉県の袖ヶ浦港に陸揚げされ、トラックで各地に配送されるそうです。

(17年11月13日撮影)

(『新河岸川…3』につづく)
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新河岸川…1

FI2075304_0E.jpg(『新芝川…3』のつづき)
そんなわけで、若干凹んだ気分で新芝川を後にしました。

水門を出たところで、振り返って、新芝川排水機場の表側をご覧に入れます。
操作室の、ガラス面積を多く取った、展望台さながらのデザインは、なかなか格好がよろしいのですが、こんな肌寒い日でも、直射日光を浴びたら、内部の温度は相当なものになるに違いない…などと、妙な想像をしました。

FI2075304_1E.jpg新芝川河口から、荒川・隅田川の分流点であり、新河岸川への入り口である、岩淵水門へは、はす向かいと言っていいほどの近さです。

新旧の岩淵水門の間にある水路を抜け、新岩淵水門をくぐり、右に一杯転針すれば、新河岸川と隅田川の合流点です。
お馴染みの赤水門と青水門にご挨拶。ご両人とも、今日も元気で何よりです。


FI2075304_2E.jpg新河岸川の入り口に来ました。何度か訪れてはいますが、当ブログには初登場ですね。
向かって左岸の土手が低いせいでしょう、水はなみなみといった感じで、いかにも水量が豊かそうに見えます。

こちらも、古くから水運が盛んで、30年ほど前までは、印刷用紙やインキといった、この近辺の地場産業を支える原料を、陸揚げする岸壁が多くあったと聞いていますが、現在では化石燃料など、ごく一部の荷揚げ設備のほかは、かつての喧騒をうかがい知るすべはありません。
撮影地点のYahoo地図

FI2075304_3E.jpg新岩淵水門の真横まで回り切ると、国交省・荒川下流河川事務所のポンド(船だまり)が目に入ります。

青いキャビンの、水上バスタイプの船は、河川巡視船「あらかわ号」です。
その搭載能力と、低い全高・ウォータージェット推進など、河川航行専門船ならではの装備を活かして、パトロールのほか、視察やイベントに、縦横の働きをしています。
荒川で最も、著名な船だと言ってもよろしいでしょう。

FI2075304_4E.jpgポンドの、さらに河上側には、荒川知水資料館があります。
すでに何度か話題に上っていますし、川に関心のある皆さんはご存知かと思いますが、改めてご紹介しますね。

ここは、荒川をとりまく、治水の歴史や現状を中心に展示した、入館無料の資料館です。(サイトはこちら
荒川・隅田川・新河岸川という、3つの川の分流・合流点であり、新旧の岩淵水門もすぐ近くにあるという、まさに絶好の立地にあり、この方面がお好きな方は、1日いても飽きないところでしょう。
土木や治水に関心の無い、ボート乗りの方にとっても、川の海図ともいうべき、「河川航行情報図」の配布元でもありますから、決して無関係ではありません。
この情報図は、直接にこちらに来館して、1階窓口で、アンケート(住所・氏名の記入が必要です)に答えると、無料で配布してもらえます。
ただし、かなり大きい紙に刷られた図版ですので、ビックリなさらないように…。巻いた状態で渡されますので、持ち運びに不便はないと思いますが。

(17年11月13日撮影)

(『新河岸川…2』につづく)

新芝川…3

FI2066114_0E.jpg(『新芝川…2』のつづき)
芝川マリーナの前まで来ました。落ちついた感じの装飾が施された、なかなか瀟洒な水門です。中をのぞいて見ると、係留ではなく、上架保管のようですね。

芝川マリーナのサイトはこちら。中川の支流、大場川にある、大場川マリーナとともに、埼玉県河川公社が運営しています。内陸河川のマリーナというのも、水路好きにとっては魅力的な存在ですね。


FI2066114_1E.jpg満潮のゆるい逆流に乗って、入谷大橋にさしかかりました。
水深・水路幅ともに申し分なし、風を受けなければ暖かなので、静かな川面と相増し、鼻歌が出そうな順調さです。

ところが、マリーナを過ぎると、釣り人の姿がちらほら見られるようになりました。
釣り糸を引っ掛けては大変と、ウェイト要員としてバウに乗ってもらっているD君と、スターンのI君も見張ってくれますが、相手が透明な釣り糸だけに、容易ではありません。

棹が、岸に立っているのを発見すると、釣り糸がどこに入っているかを探すのですが、幸い満潮時のわずかな逆流で、糸の周囲にかすかな引き波が立つので、近づけばなんとかわかります。
このあたりから、両岸の法面には草が生い茂った部分が多くなり、接近するまで、棹や釣り人の姿をみつけるのは、難しくなってきました。
「すいませーん、通りまーす!」と、声をかけつつ、デッドスローで進みます。
撮影地点のYahoo地図

FI2066114_2E.jpg白鷺橋の先に、屈曲部が見えはじめました。あそこを曲がり切ると、川口オートレース場のそばにある、新旧芝川の分流点まで一直線です。
バウに座るD君の頭越しにみる水面は、鏡のようで、空も雲ひとつ無い快晴という、一見のどかな映像ですが、釣り糸を避けつつ、頻繁に舵を切って進むので、実はかなり緊迫している最中の一枚なのです。

その時、D君が「あ!」という小さな叫び声を上げ、空を掻くような仕草をしました。ジャラジャラと大げさな鈴の音がして、しなった棹が、藪の中から顔を出しました。ついにやってしまったようです!

FI2066114_3E.jpg引っかかった釣り糸を、外そうと慌てていると、鈴の音を聞きつけたのでしょう、濃い藪をかき分けつつ、もの凄い勢いで、おじさんがすっ飛んできました。
「あ~あ~、ボートなんかで入ってきやがって!」
怒り心頭といったご面相で、怒鳴られてしまいました。

「申しわけありません、今外しますから…」3人で平謝りしつつ、前後進を繰り返して、ペラに糸が絡まないよう、糸を持ち上げますが、なかなか上手くいきません。その間、おじさんにはたっぷりとお説教をされてしまいました。

「まったく、ようやく潮の具合が好くなって来たってえのに…。」真っ赤な顔をしたおじさんに怒られながら、意外と太い釣り糸を、ようやく外すことに成功。
「どうも、申しわけありませんでした。気をつけてはいたのですが…」と皆で頭を下げると、おじさんはそれをさえぎって、
「おまえら、まだ上まで行くのかい? これからあと5本は棹を出すから、おまえら帰れなくなるぞ!!」
う~ん、そこまで言われたら、帰らざるを得ません。残念ながら、写真の鳩ヶ谷大橋を前にして、引き返すことにしました。

おじさんのいるところから離れたとき、D君がボソリと一言。
「あそこ、一応、立ち入り禁止だと思うんですがねえ…」
まあ、既得権と言うところでしょうね。いずれにせよ、よそ者が大きな顔はできません。新芝川の攻略は、他日を期すことにして、新河岸川に転進することにしました。

(17年11月13日撮影)
撮影地点のYahoo地図

(『新河岸川…1』につづく)

新芝川…2

FI2053796_0E.jpg(『新芝川…1』のつづき)
新芝川排水機場の、ほぼ向かいには、トラス構造の印象的なローラーゲート、領家水門があります。旧芝川の河口でもありますが、締め切り状態で、船舶が入ることはできません。
下の写真は、山王橋東側近くで見つけた、ささやかなスライドゲート。こじんまりしたところが気に入りました。

これから我々が通る新芝川は、昭和40年に完成した、水害防止のための放水路です。竪川の合流点でもある、川口オートレース場付近で、芝川から東に分岐、ここ領家で再び旧芝川と合流しています。
(芝川については、埼玉県ホームページの『芝川改修事業』をご覧下さい。)

領家水門のYahoo地図

FI2053796_1E.jpg見沼通船堀華やかなりしころは、通船の盛んな内陸水路の一つとして名を知られていた、旧芝川をのぞき見ることができないのは残念でしたが、水門が閉鎖されていては、仕方がありません。

山王橋を過ぎると、両岸には一定間隔で杭が打たれ、杭の間にはロープでつながれたブイが浮かべられて、可航幅が狭くなっていました。向かって左岸には、多くの係留船があります。
なぜ、わざわざ可航幅を狭くするようなことを、と思っていたら、領家橋に「新芝川桟橋設置禁止」の看板が…。ナルホド。

FI2053796_2E.jpg人道橋である順信橋をくぐると、短いながら立派な、白く塗装された斜張橋が見えてきました。稲荷橋です。

ブイと杭の列は続いていますが、係留船の姿はなくなりました。可航幅は狭いですが、水深は確保されているようで、堤防には柵が設けられているため、岸辺には人もおらず、船舶にとっては安心できる水路であることは、間違いありません。

FI2053796_3E.jpg花の枝橋(詩的なネーミングですね…)と、新芝川橋です。ここで河道は大きく左に曲がります。

写真にも見えますが、この時は、芝川マリーナに入港する先行船が3隻おり、一列縦隊でゆっくりと遡行していました。
短気な人なら、イライラするかもしれないな、などと考えながら、我々も少し間を置いて、ノンビリ続航します。(少しでも速度を上げると、寒いということもあり…)
ここを曲がり切ると、まもなくマリーナが見えてきます。

FI2053796_4E.jpg内側に、大きな印刷会社の工場がある屈曲部を曲がりきると、再び河道はまっすぐになり、渋い造作のアーチ橋、南平大橋が見えてきました。
橋を透かして、左側に見える水門が、マリーナの入り口ですね。

時は満潮近く、水深も十分のようです。
まだまだイケそう、とほくそえんでいたのですが…。

(17年11月13日撮影)
撮影地点のYahoo地図

(『新芝川…3』につづく)

新芝川…1

FI2047850_0E.jpg以前も書きましたが、私は寒がりで、しかも愛艇はオープントップであるため、いままで秋から冬にかけては、まず出港することはありませんでした。

その私が、11月13日(日曜)は、快晴・最高気温17℃・ほぼ無風という、天気予報を受けてとは申せ、厚着をして出港に踏み切ったのは、よほど「水路分欠乏症」とでも銘打つべき、変わり者の病にさいなまれていたに、違いありません。
今回は、友人のD君とI君を誘って、同乗してもらいました。
二人とも好奇心は旺盛で、写真も趣味にしているほど、なかなかの腕前ですので、水門など水路の風景の、傑作写真をものしてもらいましょう。

荒川に出て、速度を上げると、ほとんど無風状態とはいえ、艇の速度分だけの風が頬を刺します。…やっぱり寒い…。
荒川閘門を遠望するところまで来ると、閘門前の水面には、たくさんの船が出ている模様。リバーステーションにはテントが張られ、人出も多いようです。
何事かと近づいてみると、写真のように、なんとレガッタ競艇の、まさにスタート直前!
コースの真横には、競技を支援していると思しき、モーターボートも見えるのですが、特に警告はありませんでした。
波を立てないように微速で、慌てて舵を切り、現場を離れました。
しかし…前後の水面に、警戒船くらい出したほうが、よろしいのではないでしょうか…。

FI2047850_1E.jpg四つ木橋をくぐると、航路を示す黄色いブイが立ち並び、台船が数艘碇泊して、なにやら工事中の様子。
航路の終端には警戒船もいて、白い大旗を振っています。減速しつつ通り過ぎると、警戒船の乗組みの方が、手を振ってくれました。こちらも手を振って応えます。

警戒船の真横にさしかかった、我々の脇を、全速力でモーターボートが通り過ぎてゆきました。う~ん…。
撮影地点のYahoo地図

FI2047850_2E.jpg荒川河口から、1時間ほどで、本日の最初の目的地、新芝川の入り口、芝川水門に到着。平均速度は、10ノットほどでしょうか。
芝川水門は、昭和47年に竣工した2径間の水門で、新芝川を増水時の荒川から守るために作られました。左側には、隣接して新芝川排水機場が設けられています。
この対岸、やや荒川上流側には岩淵水門があり、新芝川には芝川マリーナもあって、休日ともなれば、結構な数のプレジャーボートが、行き交う水域でもあります。
撮影地点のYahoo地図

FI2047850_3E.jpg芝川水門を、くぐった直後の新芝川です。
ここを訪ねるのは初めてなので、上流にマリーナがあり、水深は確保されていることが頭では解っていても、ちょっと緊張。

水路中央には、数隻の船が碇泊していて、一瞬どちら側を通ったらよいのか、迷いましたが、幸い地元の方らしい先行艇がいて、左側が航路と判明。
左奥には、排水機場がありましたね。裏側は見られるのでしょうか?

FI2047850_4E.jpg新芝川排水機場を、裏から見てみました。
特にブイや柵などもなく、眼前に取水口が、少々恐ろしげな雰囲気で口を開けているさまを、眺めることができます。
毎秒最大、100立方メートルの排水能力を誇るそうで、台風などの増水時には、水門とコンビを組んで新芝川の溢水を防ぐのですね。
(『ARA』の『新芝川排水機場の役割は?』をご覧ください)

(17年11月13日撮影)

(『新芝川…2』につづく)