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関宿城博物館で購入した書籍

関宿城博物館を参観した後、売店に並んでいる本を見ていたら、あれもこれもと欲しい本が増えてゆき、会計してみたら一万円近くになっていました。(オトナ買いですな‥)
どれも興味深い本ばかりでしたが、中でも出色のものを2点ご紹介します。

FI1567698_0E.jpg【写真集 利根川高瀬船】 千葉県立大利根博物館編・大利根博物館友の会発行
94年3月 初版発行 B5判 本文72ページ
※明治から昭和30年代に至るまでの、利根川水系で活躍した最大の川舟、高瀬船の120点に及ぶ写真を集めたもの。各種の河川用船舶の現役時の写真だけでなく、閘門や橋梁の記録として見ても興味深い。巻頭には高瀬船の構造や船頭の暮らしについての考察、巻末見開きには明治期の河岸一覧つき。
キャプションの記述の中には、疑問をおぼえる部分も少々散見されるが、関東大水運時代を髣髴するには、必見の内容。数十隻の高瀬船が、追手に帆を上げて江戸川を遡行する写真は感動的で、一見の価値あり。

FI1567698_1E.jpg【写真集 水郷の原風景】 千葉県立大利根博物館編・大利根博物館友の会発行
95年3月初版発行 B5判 本文59ページ
※現在大利根博物館のある、水郷・十六島の風物を記録した写真集。水に恵まれ、また水と闘いつつ生きた、水郷の人々の苦労は察するに余りある。
誤解を恐れずに書くなら、部外者から見れば、舟なくしては生活の成り立たない農村地帯というのは、ある種エキゾチックな、興味をそそられる部分があるのも確か。
水路や、船とともにある生活に憧れる向きには、イマジネーションをかき立てる素材としては格好のものと思う。

これらの本は、博物館制作の書籍のため、定価が明記してありません。
控えておけばよかった、と思ったのですがあとの祭りで、お恥ずかしいことに、頼みのレシートもこういうときに限って、紛失してしまうありさま。
ご興味のある方は、大利根博物館にお問い合わせください。

(追記‥価格は博物館のサイトに記載されています。『利根川高瀬舟』¥700-、『水郷の原風景』¥600-)

長瀞の観光船

FI1561245_0E.jpg昨日、私が仕事をしている業界の行事が、荒川上流部のある場所で開催され、その途中に休憩所として短時間、長瀞(ながとろ)に立ち寄りました。

ここは川下りの観光船が出るところでも有名であり、いつも下流部を航行して親しんでいる、荒川の上流部をぜひ一度見ておきたいという気持ちもあり、急ぎ河原まで出て、船着場の情景を写真に収めました。
みやげ物屋街を抜け、「長瀞ライン下り」(『ライン下り』とは、どこから思いついたのか‥??な気持ちでしたが)なる幟がひるがえる出口に立つと、岩場に囲まれた水面は穏やかで、水深もあり、流れもゆっくりでした。

通常運行する舟は、画面奥左に並んでもやっている型です。見ていると、数分の間に次々出航してゆきます。
手前のポンツンに繋留している屋形船は、おそらく団体客専用なのでしょう。

FI1561245_1E.jpgこうして撮影している間にも、舟はお客を乗せて次々と岸を離れます。

木造船には興味津々な方ですので、観察してみると‥船首は「戸立作り」という、平べったい板状のものですが、棚板(側板)の船首部分が曲線を描いて、戸立のラインと合致していないのが目を引きます。
棚板上部に、船体のほぼ全長に渡って取り付けられた、防舷材と波返しを兼ねているらしい角材が、頑丈な感じを与えます。
下流部で使われていた「ベカ(部賀)」に似ているところもありますが、違うもののようです。やはりこの川下り専用に工夫を重ねた結果、生み出された現代の船型なのでしょう。

船体の後部にある棒状のモノは、櫓ではありません。舵のように使ったり、オールのように漕いで、舟が流れの中で姿勢を保つのに使うようです。
櫓そのものを、舵として使う川舟は各地で見られましたから、これはそれより、ほんのすこし進歩したカタチと言えます。
流れのない時の操縦は、棹で行っていました。

ここ長瀞は、荒川河口より100kmあまり、いくつかの堰やダムを越えた、そのまた上流ですから、もちろん私の艇がここまで来ることは叶いません。
しかし、偶然とは言え、いつも慣れ親しんでいる荒川の、別の表情を見ることができたのは、みずから艇を進めるのとは一味違った、新鮮な体験ではありました。

次回は久方ぶりに、書籍をご紹介したいと思っています。